オレオレ詐欺の余波

このところ巷では「オレオレ詐欺」について報道がすさまじい。
注意を促す報道が多岐にわたっているようで、
なぜかこの余波で困ることが発生している。

わたしの仕事である脳神経外科では
救急で運ばれる患者が多い。
そして患者自体の意識が悪いために、
重症であればあるほど、
患者本人から全く情報がとれなくなる。
所持品がないと、名前も住所もわからないことになる。
そういう人の特定をするのは警察の仕事になる。

独りで歩いていた人が突然轢かれて
頭に外傷を負って搬送された場合、
まず、申し訳ないが所持品をあらためて、名前、連絡先を探す。
それがだめなら、患者の持ってた携帯電話で「自宅」とか「かあさん」とか
書いてあることろの番号を書き写して、病院から
「今、意識不明で運ばれた人が持っていた携帯でみて電話しています。
もし心当たりがあればこちらの病院にすぐ来ていただきませんか?」
と電話する。(患者の携帯をそのまま使うことは禁じられている。)

そこが悲劇の始まりで、
よくあるのが、知らない番号からの発信のため無視されること。
あと、最近はオレオレ詐欺を注意するあまり、
かなり長いことこっちの話を信じてくれなくて、
明らかに詐欺師を想定した
まどろっこしい質問をだらだら受ける羽目になること。

どこの詐欺師が、「すぐ病院に来てください」なんていうのか
ちょっと考えてもらいたいのだが。
一刻を争う重症のときに限って、こんなやりとりをしてるのも
本当に時間の無駄だと思う。
迷惑な「オレオレ詐欺」である。
[PR]
by decoppati | 2004-12-18 13:17 | 脳外科の仕事
<< 名前、住所の捜索 不穏な患者の対処 >>