友達との約束

何の職種でも有ることだと思うが、
この仕事、とにかくオフのときも気が抜けない。
下っ端の時は病院にいるのがぶっ続け20日間にわたったのち、
やっとオフになったと思っても、また病院から呼び出される。
レジデントのうちはなんでも勉強になるので
それでも自分は別にそんなもんだと思っているわけだが、
プライベートでの周りの人間にはそれはそれは迷惑をかけ通しであった。
中堅となり指導する立場になると、
今度は当直している下級生に呼び出されるが、多少融通が利く。

それこそ最初の頃は忙しいのも覚悟していたし、
本当に自由になる時間がないわけで、
友人との連絡は絶たざるを得なかったし、
映画を観たり、音楽を聴きに行くなどの趣味は封印しようと決め、
覗いたら何をやってるかわかって行きたくなってしまうので
「ぴあ」を買わないように、近寄らないようにしていたものだ。
しかしそんな生活も段々慣れてくると、
少しの間隙をぬってちょっとでもプライベートを満喫したくなってくる。
そういうわけで、一方的に破棄する結果となったとしても許してくれる、
理解のある友人達に甘えていろいろわがままな企画をするようになる。

専門医前の若い時は、人と会う約束したときに限って
それこそ笑っちゃうほどよく病院からコールがあり、
待ち合わせ場所で会った瞬間、「ごめん!」ってことや、
ご飯食べてる最中に呼ばれてそそくさと謝って
脱兎の如く去っていく羽目になるなど、
残された友人には本当に迷惑なことをしていた。
その頃、女子高生なんかが携帯やポケベルが鳴ると
すごく嬉しそうにしているのを後目に
とにかく携帯やポケベルが鳴るってことは
本当に不吉で嫌なことなのだった。

その結果、旅行がつぶれたこともあったし、
コンサートに代理を立てたこともある。
人がうちに泊まりにきてるのに置いたまま出掛けていって
そのまま帰れなかったこともままある。
家でやるホームパーティで他人に仕切りを任せたこともある。

それにしても、酷いことしてきたよなあ。
反対の立場だったら、
そんなことになる可能性があるんだったら
周りを巻き込まずにおとなしく暮らしてろ、と言いたくなるかも。
でも折角のつかの間のオフにそれを恐れて何もしないで、
結局何もなかったときの後悔は耐え難い。わがままだけど。
プライベートライフの充実なしに
ハードな仕事で自分の寿命削ってるだけなんて、
なんのために生きているのかわからなくなっちゃう。
この仕事してると、
あっけなく事故で死んでしまう若い人を見る事が多い。
明日は我が身かも知れない。生き急ぎたくもなる。

とにかくわがままを笑って許してくれる周囲の人たちに感謝。
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by decoppati | 2005-04-17 02:18 | 脳外科の仕事
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