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セレブリティ (celebrities)

もちろん広く名前が知られている人々も病気になるわけで、
病院には著名人、名士、芸能人などもやってくる。
守秘義務は普通の人も、こういった人も同じように守られるべきもので、
通常、関与する医療関係者は
診察内容や受診したことさえも他人には話さない。
ただし、一部で有名人の診察内容や受診した事実をネタとして
安易にマスコミにリークすることがあるのは残念としかいいようがない。

逆に患者側から、
マスコミに対して医師のほうから説明して欲しいと頼んでくることもある。
医師に記者会見をして欲しいという人もいる。
圧力をかけてきて、嘘の話をしろと強要する人もいる。
(そんなこと絶対に言うこと聞く気ないけど。)
公式には仕事の関係で、よく会社への診断書に書くような内容、
病名、治療にかかる期間などはさしあたって提供が必要な情報であろう。
しかし、それに加えて、ことこまかな症状や診察内容、詳細な状況などは
特に個人的なことであって
詳細を本人とあまり関係ない一般に話す必要がわからない。
また、直接関係のない人がそれを聞いてどうしたいのかも不明である。
ただの好奇心を満たすだけのことで、治療の助けにもならない。
下衆な興味である。

それはそうと、
小説家、音楽家、政財界の有名人、建築家などの名士や
芸能人でも超有名人であれば、
医師も、その人の顔を見たり、名前を見れば気が付くものである。
仕事である限りはそれがどんなに個人的に話してみたい人であっても
グッとと堪えて、
極力ミーハーな態度を抑えて、普段どおりに接するわけである。
その結果、向こうも、
こっちがもしかして彼や彼女を知らないのかも、となると
非常にリラックスされて、
本当に困ったことを打ち明けたり相談しやすくなる。
時に、それに耐えられなくなって、
こっちが「あー、あの」とか言ってあげるまで
自分が有名人であることを説明しまくる人がいるのはご愛嬌。
(芸能人や政治評論家など。)

昔からあんまり芸能人に詳しくない私は、
一過性のブームの人や
ちょっとやそっとの人は本当にわからない。
看護婦がすごく騒いでいたとしても、
顔を見ても名前を聞いても全然わからない。
かえってこういう人が診る方が、診察を受ける側も気楽かもしれない。
by decoppati | 2005-05-01 15:28 | 脳外科の仕事
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