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結婚生活の悪循環.1

我が医局での離婚率は高い。
2回結婚している人は珍しくない。3回というツワモノもいたりする。

短いのは相手が普通のお嬢さんの場合が俄然多い。
見合いや紹介で良いウチのお嬢さんと知り合って、
付き合っている期間は万難を排して
どうにか時間を作って点数を稼ぎ、結婚にこぎつける。
奥さんが夢を見られるのは新婚旅行までである。
新婚旅行だけは治外法権的に2週間の休みがとれることになっている。
それが終わると普段の生活が始まるわけだが、
そこで奥さんはこの仕事のクレージーさを初めて知ることになる。

大学医局に居て専門医前など月に15-20日当直のdutyで
月の半分はどこかの病院に寝泊りしており家に帰ってこない。
大学からの給料はたかが知れているので、
結婚したり子供が生まれたりすれば、お父さんはさらに時間外の仕事に
精を出すことになり、日、祝日も含めますます家には帰らない。

久しぶりに家に帰ると、奥さんが待ち構えていて、
山のように話したいことを一気にいろいろ話しかける。
泥のように疲れて帰ってきたほうはたまったものじゃなく、
最初こそ、少しはやさしくしたり、聞いているフリをするが、
段々には面倒くさくなって邪険にしたり、寝てしまったりする。
折角帰ってきても、夜中や明け方に電話が来て、
病院にトンボ帰りすることもままある。

医療関係者以外にはここまで多い当直も理解できないようで、
邪険にされたり、あまりに家に寄り付かないとなると
ほんとは当直じゃなくて、どっかで浮気でもして遊んでるんだろう、と
疑うようになる。

家族のために一生懸命働いているほうは、
無実なのにしつこく追求されるようになると今度は変にキレてしまって
「どうせ疑われるなら、実際やってやろうじゃないの」とばかり、
ほんとに浮気をするようになる。
或いは奥さんの溜まりに溜まった
他愛もないおしゃべりに付き合うのにうんざりして、
用もないのに病院で寝てたりするようになる。

そうなるとあとは破滅へまっしぐらで、
年がら年中、奥さんから医局に確認の電話はくるわ、
いきなり病院に尋ねてきたりするわで、周りも対応に苦慮することとなる。
そこで看護婦との浮気の証拠でもでてこようものなら、
今度は奥さんが医局に怒鳴り込んできたりするし、
がっぽり慰謝料はしぼりとられるわで散々である。

勤務医の収入なんて、開業医とは雲泥の差で、
商社マンや金融関係の会社員と変わらないうえに
拘束時間の長さは半端じゃないから、
幻想をもって結婚した人には幻滅も大きいようである。
by decoppati | 2005-05-28 18:16 | 男性医師の生態
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