病院が家族?

大学病院では束縛時間が長く、グループごとに行動するため、
文字通り朝から晩まで手術、回診、食事さえも同じ面子でいることになる。
自宅に帰ってもいいものを、
外勤に行っていた医師が直行するのは病院で、
上機嫌で「ただいまー」と帰ってくるし、
日曜日に暇な後輩など、病院にやってきて医局のソファでTVをみたり、
当直の医師と一緒にご飯を食べたり、頼むと何か買ってきてくれたり
「今日の日曜映画劇場はOOですよ」とかいってくつろいでいたりする。
なんだか仮想家族のようだ。

市中病院にいると、医師同士がそんなに密着する必要はないが、
脳神経外科など救急救命に関する科はやはり当直や急変、
緊急などの関係で病院に居る時間がおのずと長くなる。

普通の週末、大型連休、クリスマス、正月なども
自由に過ごせないのは当たり前の生活である。
(いわせてもらえば、代休ももちろんない。)
こういう中で、少しでも楽しみを見出すことが
自分の精神衛生上いいように思っている。

病院にはどんなときにも多くの人が働いていて、
クリスマスや正月には働いている者同士で
なんとか雰囲気をだそうと努力することがある。
クリスマスには出勤前に仕込んできたケーキやアペタイザー、
勤務中で酒が飲めないのでアップルタイザーなどを持ち寄って、
ちょっとしたパーティ形式のご飯を食べることもできる。
正月は、大体どこの病院のどこの病棟でも
世話好きな看護婦さん(たいていベテラン)がいれば
お雑煮を作ってくれることが多い。
いつも病棟にいる医師のことは、待ち構えていて御馳走してくれる。
田舎の病院などに行くと、自給自足の自家野菜と、
手作りコンニャク、看護婦さんのおじいさんが作った餅なんかで
とてもおいしいお雑煮が食べられる。

こうやって一番の年中行事も病院の中に幽閉されて、
真剣な仕事の合間に、そこにいるみんなと楽しんでいると
自分の本当の家族とは疎遠になりがちなのに
なんだか病院が家族のような気持ちになってくるのである。
さしずめ、私は小うるさいおねえさん、といったところかも。
怖いお父さんや頼りがいのあるお兄さん、
陰険だったり優柔不断だったりするお兄さんたちもいるが、
かわいいやんちゃな弟(後輩)たちと、
またやさしい妹(看護婦)たちに囲まれて
結構楽しく過ごしているのである。
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by decoppati | 2005-01-01 21:01 | 脳外科の仕事
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