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寒くなると..... 脳外科の季節!

しばらくのご無沙汰。
やっぱり寒くなると、脳外科は俄然忙しくなる。
一番多いのは脳血管障害系統。
脳内出血、くも膜下出血、脳梗塞も。
春や秋に穏やかな日が続くなか、
一日だけ寒くなったりしても患者が増える。

高血圧を放置している方もちゃんとコントロールしておくことをお勧めする。
くれぐれも寒暖の差には注意!
倒れる人のなかで、
1. 医者嫌いで病院に行かないという自営業の人で
   実は高血圧も糖尿病もあるのに全く自覚症状を無視してて
   発症してるのに気付いてなかっただけなんてよく聞く話。
2. 健康診断などで高血圧を指摘されていたにも関わらず、
   治療を受けずに、
   或いは自己判断で降圧剤の服用を止めてしまって、
   全く放置していたなんてのも非常によくある話。
3. 30代後半から40代前半でも明らかな肥満体型で
   実は血圧が高くなっているのに管理しておらず、
   スポーツジムでのトレーニングや
   セックスしていて発症するのも少なくない。

日本の家屋の中は場所によって寒暖の差が激しいことが多く、
典型的には風呂やトイレ、台所が家の中でも最も寒い。
熟年層以上ではそれらの場所にコンパクトな暖房器具をつけ、
なるべく暖かく過ごせるように工夫されると予防の一端になるであろう。

30代後半から太り始めた人も、
なるべく体を絞る方向で考えたほうが良い。
太ると血圧は上がる。
肥満のとき高血圧でも、たとえ1-2kgでも減量すると血圧が低下する。

塩分制限や減量で血圧が安定するのには時間がかかるから
その間は医者に言われたとおり、
降圧剤を服用してまずコントロールを始めることを勧める。
その後、塩分制限などのダイエット、
運動(早足で朝晩30分以上散歩するなど)を続けているうちに
みるみる血圧が下がってくることはよくある。
そのうち降圧剤が要らなくなることもままあるので、
最初から「一生飲むのか」などと悲観せず、
続けられるやりかたで工夫をしてみる価値はある。

もちろん降圧剤を飲んでいれば出血がおきないということはない、
が、
脳内出血を患う人の中に自分の血圧が高いのを知っていながら放置し、
あとですごく後悔する人が多いのをみると私も悔しい。

あと格段に増えるのは忘年会、新年会での深酒による頭部外傷。
飲酒にまつわる交通事故、自損事故。
階段からの転落による重症頭部外傷は笑い事ではない。
くれぐれも階段のない飲み屋で飲んで欲しい。
旅館でのどんちゃん騒ぎの際、階段には近づかないようにお願いしたい。

とにかく、取り返しが付かなくなる前に、
防げる物なら防ぎたいと切に思う次第である。
by decoppati | 2005-12-20 01:53 | 脳外科の仕事
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