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今の研修制度をのりきるには

3年前から初期臨床研修医(レジデント)制度が大改革されて、
大学をでて国家試験に受かった後も、
いろいろな科を廻って研修しなければいけなくなって、
現場でのレジデントの存在意義が大きく変わってしまった。
以前はスーパーローテーション希望の例外を除いて、
大学卒業時に自分の進みたい科を決めて
その科かその科指定の基礎研修に入るのが通例だったため
1年もすればその科のことはだいぶ仕切れるようになったものだ。

今は1-3ヶ月程度でぐるぐる科を廻るので
レジデントがとりわけ得意な分野を作ることが難しい。
昔のように仕込めば仕込むほど、
自分たちの仕事が楽になるものではないことから
先輩医師が本気になって教えてくれることも少ないのだという。
その代わりいろいろな疾患を直に学ぶことができたり
いろいろ経験できるところが利点とされている。
実質、どこの科でもお客様のように扱われているようにも見える。
だからぐうたらな研修医など手を抜いてさぼっていても
真面目に怒ってくれる人もおらず、ぼーっと研修を終えることもできる。
その結果、どうなっていくのか、考えると空恐ろしい。

ただ本来はやはりやる気に満ちた研修医のほうがずっと多いわけで、
彼らが先輩医師からチャンスをもらえないといって
焦っているのをみると胸が痛い。

そんなときちょっとしたアドバイスをすることがある。
① 以前と違って同じ病院とはいえ頻繁に環境が変わるので、
   研修医のことを誰も認識できないことが多い。
   誰とは知らない人がぼーっと立っていても声を掛ける気が起きない。
   知らない職員にもはっきりと挨拶をする癖をつけると
   かなり印象がアップする。
   研修医〇年目のダレダレと名乗るのがキーポイント。

② 沢山研修をしたいのであれば、とにかく足で拾うこと。
   他の医師がしていることを見に行く、
   なにか処置や手術があれば見に行く、
   自分の廻っている科以外でも
   珍しい処置や手術があればちゃんと話を通した上で見学する、
   なにもなくても病棟で仕事をみつけてしていれば
   なにか起きることもある。
   熱心に見にくる人にはいろいろ経験させてあげたくなるものである。
   暇なときは救急外来あたりをぶらぶらしてみると
   なにかしら研修のネタが拾える。

③ 研修医の間は医師になったばかりで気負いすぎていることがある。
   看護師からの依頼などを安請け合いするのは厳禁。
   自分だけの考えでは危険を招く。
   任されている以外のことは必ず指導医に声をかけること。
   独りよがりな研修医にはチャンスはなかなかめぐってこない。

④ 自分の進みたい科が決まっている場合、
   その科以外を疎ましく感じてやる気を失う人もいるが、
   どの科でもその科となにかしらの関連をもった領域があるはず。
   そこのところを突き詰めてみるときっと将来ためになる。
   たとえば、脳外科に入りたい人。
   内科、外科、放射線科、麻酔科研修はいうに及ばず。
   小児科では小児の管理や大泉門からのエコー操作を学んだり、
   産婦人科でテンカンや脳疾患をもつ妊婦の管理や
   妊婦への投与禁止薬物など。
   とにかくこの制度となっているからには、
   どうにかして無駄のないように過ごして欲しい。

⑤ 手技的なことを学びたい場合、
   基本である縫合や、糸結び、糸縛りなどは
   どこでもシュミレーションできるのだから
   本番に備えて練習しておくといい。
   本番でうまくできれば次もよんでもらえるが、
   基礎的なことを怠るひとはただの足手まといであり、
   次のチャンスはなかなか廻ってこない。

なんだかんだ2年の研修が終わってみれば
医師としてだいぶ力がついてくるわけでむやみに焦る必要はない。
問題の多い制度とはいえ仕方がない。
どうにか有意義に乗り越えていただきたいと思う。
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by decoppati | 2007-08-12 21:34 | 脳外科の仕事
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