レジデント時代

医局から派遣されて半年単位でいろいろな病院に行く度に
始めの頃はどこでも「脳外科の女医さんは初めて」といわれ、
特に看護婦さんからは「どんなもんだかねえ」と
ちょっと意地悪がかった目で見られたものだった。

それでも結構すぐにうち解けてくれたり、
親切にしてくれるようになった。
ちょっとしたポイントはある。
求められている用事が済みさえすれば
コメディカルからは好意的に思ってもらえる。
別に性別は関係ないが、一度好意的に思われると
同性であることでさらに熱狂的に支持される傾向がある。
また他の要素としては同性として勝負にならない可哀想さであろうか。
(化粧っ気がない、いつも眠そう、院内でお洒落してない、など。
 これに対してICUの看護婦などはデパートの一階とも見まごう
 ゴージャスな厚化粧、匂い、ミニ白衣だったりする。)

看護婦さんが外科系のレジデントに求める資質とは
多分次のような事項でないかと思う。

・困ったとき、急変時、トラブルが起こったときなど、
 すぐに駆けつけて欲しいときに電話でうだうだ聞かずに
 とりあえず現場に急行すること。
・ついてからは即座に状況を把握して、できる限りの処置を始めるか、
 自分だけで手に負えない場合は潔く判断して、
 すぐに必要な助っ人(上のドクター)を呼んで
 簡潔に説明して早く来てもらうこと。
・もちろん必要のない報告や遅すぎる報告を受けたら
 その旨説明して、注意してもよい。
 いいなりではいけない。
・病棟で自分の知識では足りなくて
 正しい判断が下せない、或いは迷うときは、
 潔くそれを認めて、直ちに上のドクターに聞くか調べて来て、
 正しい治療をするように努めること。
・点滴、中心静脈栄養路の確保、傷の消毒、
 ドレーンの管理、経鼻胃管の管理など、
 レジデントが主に行う類の手技が手早くうまくできること。
・なにをするときも、周囲を汚さないこと。

結構、多くのレジデントが陥るのが、
看護婦さんの勢いに押されて、
医者たる態度をみせようと変に頑張ってしまって
知らないこと、うろ覚えのことでも付け焼き刃に
その場で言い張ってしまうことである。
その結果、おかしなことをいっていると
看護婦から上のドクターに直訴されるのがオチであるし、
なにより患者に迷惑で余計な時間がかかって困る。
看護婦さんのほうはレジデントに即座に対応してもらおうとまでは
思っていない。
正しい対応をしてもらうのが目的であるから、あやふやにせず、
上のドクターと相談するか、連れてくるかしてくれれば良いのである。
立派な使いっぱしりというわけだが、それでも
自分でしていいこと、自分だけでしては危ないことを
しっかり判断できることこそがこの時期の医師には重要で、
看護婦さんというのは案外よく見ており、
そういう正直さ誠実さ便利さ判断力という点で
尊敬や信頼を勝ち得ていくことができるように思う。
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by decoppati | 2005-02-17 22:59 | 脳外科の仕事
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