2004年 11月 29日 ( 5 )

完全なる男社会

入局して一番気をつけたのは、「完全なる男社会」に
なるべく波紋をおこさないこと。

いままでと同じように、下ネタ話も、愛人自慢、絶倫話も、誇大妄想話も
みなさんがこころおきなくできるように、聞こえても聞こえないふり。
関係ない限り、見えない、聞こえない、発言しない。
実害あるわけでないので、抗議もしない。
ストレスの多い職場、毎日3食をともにするような環境のなか、
みんな家族団欒のように過ごすのだから、
実際に身に危険が及ばない限り、
誰が何を言っても構わない。

大体どこかに裸のピンナップや
プレイボーイのカレンダーなんか貼っちゃってたりしてるが
別にどうでもいい。

こちらに下ネタ振られることはよくある。
「どこでやるのが好き?」「どんなパンツはいてるの?」
「車のなかでやったことある?」などなど。(下品で恐縮だ。)
答えずに「先生は?」と返すだけ。
ほんとのことなんか教えない。
なにか答えたら大変なことになるからいわないほうが身のため。
いわなくても、勝手にストーリーが構築されていく。
そしてそれが一人歩きして、
壮大な妄想になってそこらじゅうに飛んでいく。
ほんとじゃないだけずっとまし。
それに、10数年前でさえ、口を割らないからといって、
真面目に怒られたり仕事に不利になることはなかった。
尊厳までは誰にも奪わせない。

お世辞にも3の線がいいとこ同士で
「先生やりますなあ」
「先生こそもてますなあ」とか
言い合っちゃってても、抗議しないし、馬鹿にもしない。
そりゃ、学生のときは大いに突っ込みをいれたものだが、
ここは我慢。

いわせてやろうじゃないか、かき乱さないで居てあげよう、
この男性にとって超平穏な「男社会」を。
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by decoppati | 2004-11-29 21:15 | 男性医師の生態

自然に、無理せず。

neikoさんがコメントされたように
痛々しいくらい女性扱いを拒絶したり、男言葉や下品な会話をして対等になろうとする先輩、こちらが恥ずかしいくらい女性である事を過剰にアピールしてしまう先輩...

ほんと。
なりたくない、ならないように気をつけたい例は周囲にごまんとある。

男性の同級、後輩を無理に呼び捨てしたり、
看護婦に頭ごなしに命令する女性。
上司を喜ばせるために頼まれもしないのに
下ネタを場所をわきまえず繰り出す女性。
かと思うと、上司や教授やえらいおじさんには
女全開でごろごろのどを鳴らして近づく女性。
膝の上に乗ってる女医さんをみたときには呆気にとられた。
上司や先輩にあだ名で呼びかけ、ため口をきく女性。
特別扱いを受けるのを当然だと感じる女性。

自分が女性だから許される立場でいないかどうか、
いつも気をつけないとわからなくなってしまう。

性差はあるがままでいいと思う。
別に女性が男ぶる必要はないし、(レズの男役ならともかく)
男社会に意に反して理解を示す必要もなし、
また、逆にカマトトぶる必要もない。
一般的に女性のほうが体格が小さく、非力であるのは事実だし、
男性のほうが一般的に情緒に欠けるのも事実。
もちろん一般規格からはずれる人もお互いにいる。

あるがまま、なるがまま、
仕事に関しては性別関係なく
人間同士としておおらかにいきたいものだ。
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by decoppati | 2004-11-29 20:50 | 女性にもいろいろ

裏方さん

男性ばかりの科のため、愛想がいいだけでも、
いやがおうでも、誰にでも覚えられやすい。
レジデントなど若いときならなおさらだ。(病院に居る時間が異常に長い)

警備員、電話の交換手、掃除のおばさん、食堂のおじさん、おばさん、
配膳のおばさんなどなど、
病院の裏方というべき存在の人々でさえも、注目している。

世の中捨てた物じゃないと思ったのは、
一所懸命やってる姿は意外な人が知っているということ。

都会の大学病院にもかかわらず
掃除のおばさんがロッカーの上に
共用の女性用の白衣のきれいなのをいつもいつも置いておいてくれたり、
配膳のおばさんが食事待ちの検査のあと、
要らないといわれた特別室の食事を
私の名前を書いたラップをしてとっておいてくれたり、
警備員が帰りの足がないことを心配して車を呼んでくれたり、
わたしのレジデント生活に何筋もの光を与えてくれた人々は多い。

こういう小さなことが、寝るのにも食べるのにもこと欠く生活では
とても大きな力になるのだ。
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by decoppati | 2004-11-29 20:27 | 脳外科の仕事

当直室

医師の重要な仕事のひとつとして当直がある。
朝から働いたうえに、夕方から病院で泊まって、
夜中や明け方になにかあるのに備えており、
外来を診たり、処置、手術などの治療をする。
もちろん翌日も朝から通常通り働く。

レジデントのときはこれを月に20日以上する。
丁稚なので上の医師にくっついてなんでも観て、
教えてもらって、覚えるわけだ。
こういうこと自体は、
上の人が誰でも通った道なので別になんとも思わなかった。

しかし、唯一そして最悪の苦難は寝場所の確保だった。

女性の先輩がいないため、わたしの医局には女性の当直室がなかった。
入局のときに、教授のほうから当直室を作っておくから、と誘ったのだが。
男性医師用には何人かが寝られる大部屋があった。
先輩から、院内でなにか過ち(!)があると困るので
絶対にそこでは寝ないようにと厳命された。

寝られるのは、廊下に置いたストレッチャー、
処置に使う診療室の硬いベッド、
運がよければ女医さんの多い麻酔科2人部屋の空いてるベッドに
もぐりこむことができたが、麻酔科の女医さんには嫌がられた。
夜中でも明け方でもポケットベルが頻繁に鳴るからうるさい、といわれた。
現場に行くのはわたしなのに。

ベッドで寝ている同じ科の同級生がうらやましかった。
レジデントの仕事は多いので、
文句をいう連中が多かったが、
それでも、ベッドで寝られるなんて幸せだと思った。
口に出すのは悔しかったので、黙ってた。

その後、2年目になって自分で麻酔科の教授に直談判して
トップダウンでベッドを確保した。
今に来る後輩に同じ思いをして欲しくなかった。
ただでさえ、疲れるんだからちょっとでも楽をしよう。
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by decoppati | 2004-11-29 20:09 | 女性のハンディ

女性の女性不信.1

学生の時、人体の解剖実習の前に一悶着あったのは面白かった。

ご遺体の解剖実習は、ほぼ毎日、午後一杯、
数ヶ月にわたって続く長期の実習である。
体は大体左右対称で1対ずつ臓器があることが多いため、
左右に分かれて2人ずつ、一体で計4人の学生が
組になって行われることになっていた。

長期にわたって非常に貴重な解剖をするため、
息のあった人と組むのが好ましいとされ、
出席番号順ではなく、学生の希望で組を決めることになった。

クラスの女子たちのそのときの混乱ぶりに驚いた。
いつもは異常なほど女子だけで徒党をくんでいる女子たちが、
仲のいい女子同士組むことをせず、
各々、一目散にいろんな男子に近づいて、
解剖のペアを一緒に組もう、と懇願しまわっていたのだ。
解剖の実習は要領のいい人がいないと、
連日夜遅くまでかかってしまうという恐怖感からだったらしい。

面白いことにわたしは逆に男子からスカウトされた。
違うクラスの男子だったが、
どこからか私のこれまでの実習での実績を聞き及んでいて
男女など全く気にせず、
なにより要領よく実習をこなす相棒と目して頼んできた。
それは結果として、お互い、いい選択だった。
その後、半年近く、私たちは、なによりクラスで一番
きれいで要領のよい解剖を行うことができた。
空いた時間でアトラスと照らし合わせて勉強する暇もつくった。

男子もいろいろいるから、たとえ女子を避けても、
その男子が優れているとは限らない。
女性同士にも、一般的な能力に関して、
根強い女性不信があるのは残念なことである。
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by decoppati | 2004-11-29 19:41 | 女性のハンディ