2004年 12月 17日 ( 2 )

不穏な患者の対処

脳神経外科をやっている限り、避けて通れないのが、
不穏な患者の対応だ。
不穏な患者というのは、大きな声で叫んだり、殴ったり、蹴ったり、
興奮して物を投げたり、噛み付いたりする状態の患者を言う。

大体、当直帯などに「OOさんが暴れていて手がつけられません」
と看護婦に呼ばれることになる。

こういうときこそ、看護婦たちが当直が女の医者であることを
不安に思うだろうが絶対にそうさせたくない、と思う。

いつも気をつけているのは、
必ず電話でいろいろ聞かず、現場に急行して、
一番動かしている手や足、一番危険そうなところに自分が立つこと。
噛まれようが、頭をがんがんたたかれようがひるまないこと。
はっきりいって、看護婦になにもしないでいてくれればよいのだ。
そして本人が怪我をしないで、病気を悪くしなければよい。
鎮静剤の注射を持ってきてもらって、暴れている腕を押さえ、
看護婦の安全を確保して、筋肉注射してもらう。
その後は、すこし患者がおとなしくなるので、
ベッドに身体を抑制するバンドなどを装着して
留めてしまう。

女の医者だからこそ、頼りないと申し訳ないと思って
これまでそうやってきたが、
意外なことに良く聞くのは、
ほかの医者(男性陣)は電話で「鎮静剤の注射打っといてー」というだけで
現場になんか来てくれないということだ。
そう、男であるということは、こんなささいなことさえも
全く気にしなくていいということなのだ。

そのおかげで、不穏なときにコールにでるのがわたしだと、
かえって看護婦に安心されるってのも
本末転倒で、なんだかおかしな話である。
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by decoppati | 2004-12-17 17:19 | 女性のハンディ

看護婦さん.2

医師でも、いつも看護婦さんに依頼してやってもらうことは
大体自分でもできるようにしておくか、
どうやってやるのかを把握しておくほうがいいなあ、と考えて
レジデントの頃に心がけたことがある。

看護婦にも序列があり、病院にもよるが、
大抵は主任、婦長、あるいはベテランの看護婦が
手技的に優れていることが多い。
責任者に近い看護婦さんを手の空いているときに
つかまえて、なんでも質問して、やらせてもらって
すべて教えてもらった。
若いレジデントに教えを乞われて、いやがる上位の看護婦は居ない。
そうすると、なにか看護婦の手技がうまくできていないときに、
肩代わりしたり、的確な注意を与えられるようになる。
一言でいうと、「看護婦になめられなくなる」ってことだ。

年齢が若いだけに普通にしていても同年代の看護婦とは
すぐに意気投合しやすい。
しかし彼女たちと必要以上に馴れ合うことは危険である。
特にレジデントの頃は。
上司を批判している若い彼女たちのほうがひどかったり、
手抜きをしていたりするから、あまり同情しないほうがよい。

今は男性看護士も増えてきてはいるが、
それでも看護婦の世界は極端な「女の園」である。
彼女たち同士のなかでは、いろいろ陰険な策略があったり
悪口をいったり、いじめがあったりするわけで、
つかず離れず、いつも第三者的にフェアな視点に立っているのが
よいように思う。
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by decoppati | 2004-12-17 17:02 | 脳外科の仕事