2004年 12月 18日 ( 5 )

男のほうが「女の腐ったような奴」が多い?

男社会にいて感じることは、
意外と男でも、多くは群れるのが好きで、
集団から逸脱することを嫌い、
意見をはっきりいうことをよしとせず、
二枚舌をつかったり、風見鶏的にふるまうことが多いということだ。

特に、権威に弱い。
患者としてきた政治家や企業のトップ、各界の重鎮や
実際の大学や病院の上層部に対して、
露骨なほどゴマをすったり、
信じられないほど一生懸命とりつくろう。
馬鹿馬鹿しい。魂胆みえみえなのに。
でもそれが、効を奏するんだな。
トップの人間たちもゴマすられるのが、好きだから。

また失敗を潔く認めることをせず、
なんだかんだ言い訳をだらだら言い続ける卑怯者も多い。
何か問題が起きたとき、患者が怒っているとき、
感情の行き違いがあったとき、
面と向かって対峙すればすんなりとほどけてしまうのに、
それを怖がって逃げ回っているせいで
問題を大きくすることの、なんと多いことか。

男らしい男って、
これだけ男だらけの医局でもなかなかお見かけしないが
どこかには実在するのだろう。

複雑な心境だが、恥ずかしながらわたし、
どこの病院でも、
患者やコメディカルに好意的な意味だと思いたいが、
よく「男らしい」と評される。
レズじゃないんだが。

群れるの嫌いだし、ゴマをするのって大っ嫌い。
言い訳をぐっと我慢して潔く謝り、
補足することがあれば、
違う機会を見計らってすることにしてる。
トラブってるところには、必要ならすぐに飛んでいく。
言いべきことはタイミングをみて誰に対しても言う。
悪口は嫌いなので、用があればその相手に面と向かって言う。
それが脅威にうつるらしい。
悪口をいうタイプの人に限って、面と向かってこれだけいうんだから、
裏で何をいわれているかわからないと思うらしい。
裏なんてないのに!

悪口、策略、陰謀、ゴマすり上位の
この女々しい男の世界では
メインストリームにはなりえないですな。

それはそうと、下級生たちにいいたい。
男ももっと「男らしく」振舞ってくれよ。情けないぞ。
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by decoppati | 2004-12-18 20:08 | 男性医師の生態

腹上死 もどき.2

前の話のつづき。

逆にまさに天晴れな人もいた。

ある女性が不倫中に倒れてやはり重度の後遺症が残った。
そこで夫は妻が自分の親友と寝ていたことをはじめて知るところとなった。
夫も、愛人も頻繁に面会に来て、彼女を支え、
結局退院の時に、両者が話し合って、
夫が泣く泣く手を引き、
愛人のほうが一緒に住んで彼女の介護をすることになった。

天晴れな女性であり、夫も愛人も素晴らしい。
彼女が病前にいかに多くのものを彼らに授けていたかが偲ばれた。
どんなに重い病に倒れても、
病前に人にどのように接していたかによって、
多くの物を得られるひとも居るのである。
これぞ「女冥利につきる」わけで、うらやましかった。
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by decoppati | 2004-12-18 19:33 | 脳外科の仕事

腹上死 もどき.1

こういう仕事をしていると、さまざま思いも寄らぬときに倒れて、
意に背いて搬送されてくる人を沢山みる。

多くは交通事故、仕事中、家庭で就寝中といったものだが、
事実は小説より奇なりといったことが起こることも多い。

一番、バツが悪そうなのはいわゆる「腹上死」もどきである。
もどき、となるのはまだ死んでないからである。
面白いことに、これが起こるのは婚外交渉時にまず限られる。
やはり、スリルや興奮度が違うのだろうか。
家でのセックスの途中にご主人がひどい脳内出血を起こした例を
一例だけ知っている。
これは田舎の病院だったが、奥さんはご主人の家族にずっと
「あんたのせいで身体障害者になって」と責められて、かわいそうだった。
医師からすれば、夫婦でありながら「腹上死」しそうになるなど
純粋な人たちだなあ、と違う意味で感心していた。

あと「腹上死」もどきで印象に残っているのは、
タクシー運転手が勤務中にラブホテルに愛人としけこんでいたという例。
愛人といっても奥さんと同じ世代のおばさんだったが、
そのラブホでタクシー運転手が意識不明となってしまって運ばれてきた。
長年の愛人で患者の持病や常用薬のことも良く知っていて助かった。
病院で修羅場になるのを避けてもらいたかったので、
ほんものの家族が来る前に退散していただいた。

後から来たタクシー会社も奥さんもこの経緯は全く知らず、
客を装って会社に連絡した愛人が、
運転手がタクシー運転中に調子が悪くなって、意識が悪いので
救急車を呼んで病院に運んだと言ったのを信じていた。

できる限り余計なことを言わないようにしていたが、
タクシー会社の人間に、
「それでうちのタクシーはどこにあるんでしょうね?」 と聞かれて
救急隊から聞いていたラブホテルの所在を伝える羽目になった。
車はラブホテルの駐車場で発見された。
会社の人の同情がみるみる冷めて、軽蔑へと変わっていった。

あいかわらず、奥さんは経緯を聞かされておらず、
かといってまったくなにも疑っておらず、
「うちの人はとっても家庭思いで
 昨日も先週の日曜も外食に連れて行ってくれた」とか感謝していたが、
真相を知ってる身としてみれば、
それは不倫するんで怪しまれないように
家庭サービスしといただけだろう、と思っていたたまれなかった。

後になって、奥さんがこれは労災じゃないか、といいだしたので、
会社に聞いてみたほうがいい、といった。
彼女は会社から全てを聞かされたらしい。
それから家族の見舞いが減ったのはいうまでもない。
後に離婚されたように記憶している。
勤務中にラブホテルで遊んで挙げ句、
身体が効かなくなって、会社にも家族にも愛人にも愛想つかされたのも
自業自得であったといえる。
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by decoppati | 2004-12-18 14:06 | 脳外科の仕事

名前、住所の捜索

前の話に関連して、もひとつ不思議なことを。

警察も当てにならず、身元不明患者の所持品を丹念に探していくと、
世の中には結構変な人がいるんだということがわかる。
何故か、免許証を持っているのだが、
顔も年恰好も患者とは全くちがうことは意外とある。
2枚、ちがう名前の免許証を持っていた人も何人かみたことがある。
なんのために、他人の免許証を持って歩いているのか不明である。

また偽名を何個か持っている人って意外といる。
貯金通帳、ビデオレンタルカード、ポイントカード、
果ては消費者金融のカードなんかで
微妙にちょっとずつ名前が違っていて
どれが本名かわからない人って
思っているより多い。

すごかったのは、財布を2つ持っていた人。
救急者で運ばれて来たのは若いおにいさんだったのに、
彼の持っていた1つの豪華な財布に入っていたのは
70歳台の人の免許証、保険証、
ゴールドカード何枚かと現金20万円以上だった。
これは後で、そのお兄さんが盗んだものと判明。
その人は、逃げる途中だったのか
走ってきた車に自分から飛び込んでしまったらしく
ほぼ即死状態であった。

突然、不慮の事故にあって現場を混乱させないために
なるべく財布の中には人の免許証とか保険証、
偽名でとったビデオレンタルカードなんかいれとかないようにしましょ。
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by decoppati | 2004-12-18 13:29 | 脳外科の仕事

オレオレ詐欺の余波

このところ巷では「オレオレ詐欺」について報道がすさまじい。
注意を促す報道が多岐にわたっているようで、
なぜかこの余波で困ることが発生している。

わたしの仕事である脳神経外科では
救急で運ばれる患者が多い。
そして患者自体の意識が悪いために、
重症であればあるほど、
患者本人から全く情報がとれなくなる。
所持品がないと、名前も住所もわからないことになる。
そういう人の特定をするのは警察の仕事になる。

独りで歩いていた人が突然轢かれて
頭に外傷を負って搬送された場合、
まず、申し訳ないが所持品をあらためて、名前、連絡先を探す。
それがだめなら、患者の持ってた携帯電話で「自宅」とか「かあさん」とか
書いてあることろの番号を書き写して、病院から
「今、意識不明で運ばれた人が持っていた携帯でみて電話しています。
もし心当たりがあればこちらの病院にすぐ来ていただきませんか?」
と電話する。(患者の携帯をそのまま使うことは禁じられている。)

そこが悲劇の始まりで、
よくあるのが、知らない番号からの発信のため無視されること。
あと、最近はオレオレ詐欺を注意するあまり、
かなり長いことこっちの話を信じてくれなくて、
明らかに詐欺師を想定した
まどろっこしい質問をだらだら受ける羽目になること。

どこの詐欺師が、「すぐ病院に来てください」なんていうのか
ちょっと考えてもらいたいのだが。
一刻を争う重症のときに限って、こんなやりとりをしてるのも
本当に時間の無駄だと思う。
迷惑な「オレオレ詐欺」である。
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by decoppati | 2004-12-18 13:17 | 脳外科の仕事