2004年 12月 31日 ( 1 )

止まってくれないタクシー

つい最近まで不況でどん底だったので、
タクシーもたとえワンメーターだとしても
嫌な顔をしなくなって女性に優しくなったが、
バブルの終焉頃から不況になる前のタクシー事情は最悪だった。

20連直(病院での正規の当直が20日続くこと。他の病院も併せて
とにかく20日以上自宅に帰ることができず、病院に缶詰になる)
なんていう狂気の沙汰をさせられていた研修医の頃。

数少ない、自宅に帰れる日も別段早く帰れるわけではなく、
早くて午後11時頃に帰途につくのだったが、
交通機関がある時間ならまだしも、
それが午前1時、2時、3時頃になることもままあった。
こういうときにも、もう20日以上自宅に帰れず、
明日からも病院での缶詰が続くとなると、
自分のベッドでコールを気にせずに寝られることだけを夢見て、
帰るのにどんなに時間がかかっても、
睡眠時間が少なくなっても、病院に泊まるのではなく、
どうしても自宅に帰りたくなるのだった。

そんなとき帰る手段はタクシーだけなのだが、
これがまた本当に止まってくれなくてひどかった。
その頃のタクシーは、お大臣商売をしていて、
女性はワンメーターが多いからという理由で
みてもみぬふり、目の前でUターン、
空車を倒して「回送」にするなど、
ありとあらゆる手を駆使して、素通りすることが多かった。
12時台に仕事が終わって午前1-2時頃帰る準夜の看護婦さんは
病院からタクシー代の支給があるのをタクシー運転手もよく知っており、
この時間だけは病院の前にタクシーが連なる。
この時間に帰れさえすれば問題はないのだが、
通常、病院を2時にでても路上で待つこと30分なんてざらであった。
(ちなみに病院は都心の大通りに面しており、タクシーは豊富に通る)

忘れもしない雪の日。
昨日のようにすごく寒いのに20日前の服装のままで
降りしきる雪の中を寒さに凍えながら立っていたが、
空車のタクシーが全然止まってくれない。
1時間も立っていたら、やっと一台のタクシーが止まってくれて、
いうことには、
「おねえさん、さっきここ通ったときも立ってたから根負けした。
 普通は女性は近い距離しか乗らないから無視するんだけど。」
と。そういえば、
男子の同期からタクシーを捕まえる苦労を聞いたことがなかった。

そういうことで、その後助手に上がって大学に再び勤務したときには
医局に割り当てられた駐車場が空いた瞬間に
わたしはそれを死守し、以降自家用車通勤を開始したのだった。
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by decoppati | 2004-12-31 00:03 | 女性のハンディ