2005年 01月 01日 ( 3 )

病院が家族?

大学病院では束縛時間が長く、グループごとに行動するため、
文字通り朝から晩まで手術、回診、食事さえも同じ面子でいることになる。
自宅に帰ってもいいものを、
外勤に行っていた医師が直行するのは病院で、
上機嫌で「ただいまー」と帰ってくるし、
日曜日に暇な後輩など、病院にやってきて医局のソファでTVをみたり、
当直の医師と一緒にご飯を食べたり、頼むと何か買ってきてくれたり
「今日の日曜映画劇場はOOですよ」とかいってくつろいでいたりする。
なんだか仮想家族のようだ。

市中病院にいると、医師同士がそんなに密着する必要はないが、
脳神経外科など救急救命に関する科はやはり当直や急変、
緊急などの関係で病院に居る時間がおのずと長くなる。

普通の週末、大型連休、クリスマス、正月なども
自由に過ごせないのは当たり前の生活である。
(いわせてもらえば、代休ももちろんない。)
こういう中で、少しでも楽しみを見出すことが
自分の精神衛生上いいように思っている。

病院にはどんなときにも多くの人が働いていて、
クリスマスや正月には働いている者同士で
なんとか雰囲気をだそうと努力することがある。
クリスマスには出勤前に仕込んできたケーキやアペタイザー、
勤務中で酒が飲めないのでアップルタイザーなどを持ち寄って、
ちょっとしたパーティ形式のご飯を食べることもできる。
正月は、大体どこの病院のどこの病棟でも
世話好きな看護婦さん(たいていベテラン)がいれば
お雑煮を作ってくれることが多い。
いつも病棟にいる医師のことは、待ち構えていて御馳走してくれる。
田舎の病院などに行くと、自給自足の自家野菜と、
手作りコンニャク、看護婦さんのおじいさんが作った餅なんかで
とてもおいしいお雑煮が食べられる。

こうやって一番の年中行事も病院の中に幽閉されて、
真剣な仕事の合間に、そこにいるみんなと楽しんでいると
自分の本当の家族とは疎遠になりがちなのに
なんだか病院が家族のような気持ちになってくるのである。
さしずめ、私は小うるさいおねえさん、といったところかも。
怖いお父さんや頼りがいのあるお兄さん、
陰険だったり優柔不断だったりするお兄さんたちもいるが、
かわいいやんちゃな弟(後輩)たちと、
またやさしい妹(看護婦)たちに囲まれて
結構楽しく過ごしているのである。
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by decoppati | 2005-01-01 21:01 | 脳外科の仕事

元旦の手術

そんなこと書いてたら案の上、
病院にいる後輩から
明け方入った患者の手術のために呼ばれ、
病院にとっても今年初の手術。
患者をはさんで、新年の挨拶が繰り広げられた。
手術は終わったが、この後、元旦の日当直業務をする。
また、こんないつもの年が始まった。

大型連休に働いていると、
天気が悪かったり、寒かったり、台風が来てたり、
雪が降っていたりするのが微妙に嬉しい。

今日は雪が残るものの久しぶりの天気で、
釈然としない元旦の朝である。
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by decoppati | 2005-01-01 10:25 | 脳外科の仕事

大晦日・元旦

年末12月28日は予定の手術の最後の日で、
多くの病院で「メス納め」といわれる。
救急をあまりとらない病院でも、その「メス納め」のあとに
だらだら緊急手術が続くのは産婦人科と脳神経外科である。

前に書いたように脳神経外科では冬に緊急手術が多い。
これまで十何回か年末年始を過ごしてきたが、
穏便だったことは稀である。
大晦日に当直をしていて緊急手術となり、
手術中に元旦になったことも何回かあった。
よもや当直でなくて、
娑婆にいても手術のために呼び戻されたりする。
気が効く外回りの看護婦さんが0時ちょっと前から
カウントダウンをしてくれたりすると、
患者さんには申し訳ないがちょっと手術の手を休めて
手術室内にいる麻酔科、看護婦さん、先輩後輩に新年の挨拶をする。
外回りからなにもいわれないと、手術に熱中しているうちに
知らずに元旦を迎えており、起きていたのにカウントダウンもできず、
間抜けな気分になるものである。

2000年、2001年の元旦0時はY2K問題で
集中治療室(ICU)にへばりつかされていた。
人工呼吸器を装着された患者が多くいるためである。
もし大規模な停電になった場合、それが5分で回復したとしても、
患者へのダメージが予想されたせいであった。
実際は多くの病院は自家発電器を持っており、クリティカルな部署は
そちらにスウィッチする仕組みになっている。
もし作動しなかった場合、医者が手でアンビューバッグと呼ばれる、
換気のための器具を使って、患者の呼吸をさせなくてはならない。
幸いにして、なにも起こらなかったが、
その両年は大晦日から元旦にかけて当直以外の医師も
もしもに備えて出勤する羽目になって大変迷惑な話であった。
(ちなみにそんなときにも手当てなど一切ないのである。)
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by decoppati | 2005-01-01 02:01 | 脳外科の仕事