2005年 01月 15日 ( 1 )

平静を保つことは難しい。

外科系では年がら年中、「急な」対応を迫られることが多い。
こういうことは事前に予測できることもあるし、
また思わぬタイミングで思わぬ事が起こることもある。
特に、こういった緊急事態に出遭いやすいのは、
救急外来と手術場である。
他にも病棟、外来での急変というのがある。

手術場の場合は、術前にいろいろな場合を想定して、
これが起こったらこうしよう、
あれが起こったらこうする、とあらかじめ
術場に入るもの全員がいろいろ考えておくものである。
だからなにかが起こっても、大抵のことは
さほどパニックにならずにうまく対処できるのであるが、
それでも想定外のことが起こることもある。
こういった場合、当たり前だが、誰でもどきどきするし、
なにがなんでも術前より状態を良くしなければいけない
プレッシャーのため、パニック状態となることが多い。
パニックになると人は他人の事なんて気遣う余裕が無くなる。
看護婦を怒鳴り、麻酔科を怒鳴りつけ、道具を投げたり、
なんでも人のせいにして、ワイルドな所行を繰り広げる様となる。
手術室では簡単に医者の「真の姿」が露呈してしまう。
普段どんなに猫なで声で優しそうにしても無駄である。
手術室の看護婦さんはなんでもお見通しである。

救急外来ではいつなんどきどんな症例が来るか全く予想できない。
のんびり朝食なんか食べてて、いきなり消防庁から連絡が入って、
3分後にはものすごい重症患者が運ばれてくるわけだ。
また、普通の外来や病棟でも、急に息が止まったり、
心臓が止まってしまったりする急変のケースに遭うことがある。
こういう時にもすごく緊張して、周りの人を怒鳴りまくる
パニック野郎というのがいる。
これは却って逆効果であって、医者が緊張すると周りが緊張する。
慣れない看護婦が緊張したり怯えたりすると、
頭が真っ白になってしまって、なおさら使い物にならなくなる。
重症の患者をみて怖じ気づく看護婦にも
リラックスして最大限の働きをしてもらわなければいけない。
まず気をつけることは、落ち着いて構えることである。
落ち着いてられなくても、
落ち着いているようにみせかけることが重要である。
なるべくゆったりした低い声で落ち着いて指示を出すことである。
ガチャガチャせずに、道具がそろっていない場でも、
できる限りのことをしながら、周りを怯えさせない工夫が必要である。
しかし、これが過ぎると、若い看護婦など、
「なあんだ、急変じゃなかったんだー」とばかりに
勘違いしてのろのろする輩が出るので
適度の緊張感を保つことも必要かも知れない。

いずれにせよ、仕事場で人間性を疑われるような醜悪で
偽悪的な姿をさらさないために気をつけていきたいものだ。
以前、国会答弁で田中真紀子女史が大臣職にありながら、
答弁ができないで「わたし昨日全然寝てないんですから」とか
ヒステリックにのたまわっているのをみてぶっとんだ。
ああいう感情的なexcuseは仕事の場では通用しない。
あんなヒステリックなおばちゃんには絶対ならないぞー。
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by decoppati | 2005-01-15 21:59 | 脳外科の仕事