2005年 03月 18日 ( 1 )

尊敬に値する一徹さ

一旦仕事を離れると、女癖の悪さややモラルのなさ、
へんてこなことで困ったところも多々ある人たちではあるけれど、
ひとたび仕事となると話は別。

毎日長い手術があったり、夜中の手術が続いたり、
朝早くからカンファレンスがあったり、
きちんと学生やレジデントに教えたり、
重患の管理ですごく手間がかかったり、
家族に丁寧に説明したり、
寝る間もなく、食事の間もなく、体調が優れなくて、
ものすごく疲れてて、
当直じゃない夕方に、
やっとうちに帰って寝れるぞーという瞬間に
救急ですごい重患が運ばれてきたとき。

大変な仕事が続いていたが、
今日はとっても楽しみにしていたことがあって
なにもなければ早く帰って出掛けられることになっていたのに、
突然、すごい重患が運ばれてきたとき。

手術したら治るのならともかく、
手術してもだめかもしれないというときにも、
家族の希望があれば、疲れをおくびにもださず、
用事があることをことさらいうこともなく、
気力を新たにして、
できるだけの技術を駆使して手術に向かう。
それが終わってすぐにまたすごい症例がきたとしても、
手術の適応がある限り、やるべきことはやる。
そういう合間に研究も論文もこなす人もいる。
もちろん、どんなに特別なことや、楽しみにしていたことも
キャンセルせざるを得ない。

仕事以外のすべてで尊敬できない人だとしても、
仕事に対するこういう真摯な態度を
常に崩さない事には特段の尊敬の念を抱く。
運ばれてくる症例を前にすると
医者側の都合などはいかにもちっぽけなものになる。
疲れや手前の都合で手術適応がぶれる人もときにいるが、
周りは振り回されるし、患者に誠意があるとは言い難い。

常にぶれない診療態度を貫くことには
私的生活を大きく犠牲にすることが付いて廻る。
なにより自由時間はお金に換えがたいほど貴重である。
少ない自由時間に気違いじみてみえるほど
沢山の用事を圧縮して堪能するようになるのはしょうがない。

そういうたいした人たちが
実際の医療の現場を支えていることを大いに誇りに思う。
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by decoppati | 2005-03-18 00:30 | 脳外科の仕事