カテゴリ:女性のハンディ( 20 )

脳神経外科では力が要らない。

nanakoさんのTBにさらにTB.
nanakoさんもおっしゃっているように、
男性と女性では明らかに体格や力が違います。
他の科のことはわからないのですが、
脳神経外科に関していえば、その境界線を試されるほどの力や体格を
要するところが見当たらないので、女性でも十分できる仕事だといえます。

学生の手術見学および手洗い実習のときに
やはり整形外科の「足持ち」をしてみて、
できないことはないですが、
ずっとあれを持っていることは男性のほうが向いていると
素直に思いました。
他にも整形外科ではいろいろな器具で骨折の治療や、
おもりの設定などでなんとなく力を要するところが多いように思います。
大変なお仕事だと思います。

それに対して、脳神経外科で力を使うところといえば、
手術のときやちょっとしたときに頭を両手で何分か支えることや
頚動脈を30分ぐらい、ぎゅっと押さえることぐらいでしょうか。
これは男性でなければできないほどの力は要りません。
そういう意味では、整形外科よりも女性でも力にハンディを感じずに
いられるかもしれません。
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by decoppati | 2005-01-08 02:10 | 女性のハンディ

止まってくれないタクシー

つい最近まで不況でどん底だったので、
タクシーもたとえワンメーターだとしても
嫌な顔をしなくなって女性に優しくなったが、
バブルの終焉頃から不況になる前のタクシー事情は最悪だった。

20連直(病院での正規の当直が20日続くこと。他の病院も併せて
とにかく20日以上自宅に帰ることができず、病院に缶詰になる)
なんていう狂気の沙汰をさせられていた研修医の頃。

数少ない、自宅に帰れる日も別段早く帰れるわけではなく、
早くて午後11時頃に帰途につくのだったが、
交通機関がある時間ならまだしも、
それが午前1時、2時、3時頃になることもままあった。
こういうときにも、もう20日以上自宅に帰れず、
明日からも病院での缶詰が続くとなると、
自分のベッドでコールを気にせずに寝られることだけを夢見て、
帰るのにどんなに時間がかかっても、
睡眠時間が少なくなっても、病院に泊まるのではなく、
どうしても自宅に帰りたくなるのだった。

そんなとき帰る手段はタクシーだけなのだが、
これがまた本当に止まってくれなくてひどかった。
その頃のタクシーは、お大臣商売をしていて、
女性はワンメーターが多いからという理由で
みてもみぬふり、目の前でUターン、
空車を倒して「回送」にするなど、
ありとあらゆる手を駆使して、素通りすることが多かった。
12時台に仕事が終わって午前1-2時頃帰る準夜の看護婦さんは
病院からタクシー代の支給があるのをタクシー運転手もよく知っており、
この時間だけは病院の前にタクシーが連なる。
この時間に帰れさえすれば問題はないのだが、
通常、病院を2時にでても路上で待つこと30分なんてざらであった。
(ちなみに病院は都心の大通りに面しており、タクシーは豊富に通る)

忘れもしない雪の日。
昨日のようにすごく寒いのに20日前の服装のままで
降りしきる雪の中を寒さに凍えながら立っていたが、
空車のタクシーが全然止まってくれない。
1時間も立っていたら、やっと一台のタクシーが止まってくれて、
いうことには、
「おねえさん、さっきここ通ったときも立ってたから根負けした。
 普通は女性は近い距離しか乗らないから無視するんだけど。」
と。そういえば、
男子の同期からタクシーを捕まえる苦労を聞いたことがなかった。

そういうことで、その後助手に上がって大学に再び勤務したときには
医局に割り当てられた駐車場が空いた瞬間に
わたしはそれを死守し、以降自家用車通勤を開始したのだった。
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by decoppati | 2004-12-31 00:03 | 女性のハンディ

困った人々

困ったチャン
夜、病院に時間外にやってくる人は、
本当に病気や怪我で困ってやってくる人が大多数であるが、
なかにはお騒がせの、本人自体が「困りもの」もまた多い。

一番多いのは、酔っぱらい。
通称「おおとら」である。
ろれつが回らず、意識がしゃっきりしてないのが、
酒のせいか、はたまた頭を打ったせいか判然としないため、
ちょっとかすった程度でも、
救急車に乗せられて脳外科にやってくる。
これがまた、周りが看護婦さんに医者も女ときたら
なめてかかること、すさまじい。
救急車でやってくるので診療せざるを得なくなるわけだが、
診察にも治療にも全く協力せず、かえって恫喝する始末。
また、「どうしました?」と聞けば、
こっちの体を触ろうとしたり、電話番号を聞いてきたり、
挙げ句の果てに
「ここが悪いんです。」とかいって股間を指さすなど、
やりたい放題である。

向こうが刃物や凶器を持ってない限り、びくびくしない。
下手に出るとかえってなめられる。
ただし、絶対にあとで揚げ足をとられるような言動はしない。
おぼろげながらでも覚えている可能性があり、
世の中変な人も多いので、あとでくだらないことを
病院にねじ込んでくることもあるからである。

徹頭徹尾、敬語を用いつつ、毅然として、
何をいわれてもやるべきことをしっかりやって、
全て必要なことはカルテに書き残すようにする。
暴れていて、家族も捕まらない場合、
検査でなにも病的なものがないのを確認さえすれば、
警察を呼ぶことができる。
一晩、トラ箱行きとなるのである。
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by decoppati | 2004-12-23 01:07 | 女性のハンディ

異性への評価は辛い

いつも面白いなあと思うことだが、
相当トロイ奴でも
男でありさえすれば、
男同士の甘い評価の恩恵にあずかれる。

同じ仕事を同じようにうまくできたとしても
男性同士は互いを過大評価しあい、
逆に女性については過小評価する。
うまくできてたら、攻撃材料を探しさえする。

女性が男性たちから手放しでほめてもらうためには
男性同士とは違って、
目を見張るほどできがよくないといけない。
男性同士だったら、平凡でもよくお互いを称えあってるけど。
ま、目を見張るほどうまくできたところで、
成果を無視されたり、
「要領がいいだけ」とか「女だから特別なのでは」とか
いろいろちくちく中傷されはじめたりする。
おかしいだろっ、それは。

とにかく、できない男性ほど、
女性に対する妬み、嫉みってものすごい。
うまくできない、仕事が半人前の女性のことは
馬鹿にしてるけど、
普通にできるひとには容赦ない。
小さいんだよなあ、度量が。

こういうことなしに
フェアに物事を見ることができる人も少数ながら存在する。
こういう人々の存在があるからこそ
楽しく仕事を続けてくることができたのだが。
見ている人は見ているし、
真実は決して曲げられない。
腐らず、おごらず、前進することだ。
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by decoppati | 2004-12-19 08:55 | 女性のハンディ

不穏な患者の対処

脳神経外科をやっている限り、避けて通れないのが、
不穏な患者の対応だ。
不穏な患者というのは、大きな声で叫んだり、殴ったり、蹴ったり、
興奮して物を投げたり、噛み付いたりする状態の患者を言う。

大体、当直帯などに「OOさんが暴れていて手がつけられません」
と看護婦に呼ばれることになる。

こういうときこそ、看護婦たちが当直が女の医者であることを
不安に思うだろうが絶対にそうさせたくない、と思う。

いつも気をつけているのは、
必ず電話でいろいろ聞かず、現場に急行して、
一番動かしている手や足、一番危険そうなところに自分が立つこと。
噛まれようが、頭をがんがんたたかれようがひるまないこと。
はっきりいって、看護婦になにもしないでいてくれればよいのだ。
そして本人が怪我をしないで、病気を悪くしなければよい。
鎮静剤の注射を持ってきてもらって、暴れている腕を押さえ、
看護婦の安全を確保して、筋肉注射してもらう。
その後は、すこし患者がおとなしくなるので、
ベッドに身体を抑制するバンドなどを装着して
留めてしまう。

女の医者だからこそ、頼りないと申し訳ないと思って
これまでそうやってきたが、
意外なことに良く聞くのは、
ほかの医者(男性陣)は電話で「鎮静剤の注射打っといてー」というだけで
現場になんか来てくれないということだ。
そう、男であるということは、こんなささいなことさえも
全く気にしなくていいということなのだ。

そのおかげで、不穏なときにコールにでるのがわたしだと、
かえって看護婦に安心されるってのも
本末転倒で、なんだかおかしな話である。
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by decoppati | 2004-12-17 17:19 | 女性のハンディ

メンス

看護婦さんたちが親しくなると必ず聞いてくるのが、
メンスについて。
そして、男の人が多分あまり知らないし、
思いもしないのが、またこのメンスなのだ。

大学病院での脳神経外科の手術は、
昔は10時間をゆうに超えることが多かったし、
レジデント1年目にも16時間レベルを3回以上経験した。
わたしは幸いにして生理痛を知らず、
また月経周期が非常に規則的なので助かっている。

しかし。
絶対に、絶対に、周りにメンスであることは知らせたくないし、
ましてや、何か不都合があっても、メンスのせいだとは
絶対に言いたくない。

悔しい思いをすることは多い。
手術のぎりぎり前にトイレにすっ飛んで言って
スーパータンポンに薄手のナプキンを装着。
終わったらまた、トイレにすっ飛んで行きたいわけだ。
手術着は大抵、薄いので。
たとえ6時間の手術だとしても。
まだ、専門医前の頃は陰険な上司に、
「手術終わってすぐに場を離れるとは何事だ」と怒鳴られたこともある。
しかしなにも言い訳などせずただ「申し訳ありません」と謝っておいた。
内心、
「馬鹿だな。メンスがあることさえ思い至らないなんて。
男は楽なくせに。」とつぶやいていた。

10時間以上の手術についたとき、メンスだったら、
レジデントの頃でも、術前にお腹壊したとか匂わしておいて、
「トイレに行ってきていいですかー」とだけ行って外にでる。
またはなにか病棟の仕事にかこつけてトイレに行く。
そしてまた手洗いをして、手術に戻る。

一般病院の脳神経外科では大体の手術が
4-5時間までの手術なので、なにも困ることはない。
また、自分が指導医になってからは、
自分のペースで事を運ぶことができるので
どうにでもなる。
よもや長い手術でも、助手も含めて
トイレ休憩をいれればいいのだ。

これまでずーっとそうやってやってきて、
幸いなことに同僚にメンスについて聞かれたことがない。
口が悪い上司は
「いつ生理になってるのかわからない。ほんとはないんじゃないか」
とまで言っていた。

そうやって、心の中で、
男の人が寝れない、食べれない、トイレに行かれない程度のことだけで
大騒ぎしているのを呆れて笑っている。

女だと、それに加えて、差別やメンスもあるんだから。
それでもへっちゃらで、元気に見せていくスタミナがあるぞー。
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by decoppati | 2004-12-13 22:13 | 女性のハンディ

女性の女性不信.2

我ながら、女性に偏見持ってるなあ、と思ったことを2つ。

自分が脳神経外科に入ろうと思ったとき、
もし、患者だったらどう思うか考えた。
もし、命に関わる病状や、重い後遺症が残る重症の
患者の家族だったら。
病院に泡食ってかけつけて、説明にでてきた担当医が
若い女医だったらどう思うか。
そのとき、正直言って、自分だったら
「他に先生はいるんですか」「先生だけで手術するんですか」
とか聞いちゃいそうだなあ、と思った。
それが多分これから自分が受けるであろう、
仕打ちだとなかば諦めていた。

しかし現実には、世の中のひとが
それほどの偏見を持っていないことがわかった。
これまで10年以上この世界でやってきて、
(もう「若い女性」ではなくなってしまったが)
幸せなことに、そういうことを全く聞かれたことがない。
治療について説明した後、あたりまえのように
「先生、どうぞお願いします」といわれてきたことに感謝する。
自分のほうがよっぽど女性に不信感があるのかもしれない。

もう一つ。
病状を説明するときに、脳外科の特徴として、
患者自体の意識がよくないことが多いので、
患者の家族を相手に説明することがとても多い。
特に急を要する、生命や機能予後に関する
重要な話をしなければいけないとき、
女の人1人だけしか来なかったりすることがある。
そういうとき、つい尋ねてしまうことが、
「どなたが男の方は来ますか?」である。

経験上、往々にして女性はパニックに陥りやすく、
また、論理的な話を感情的にしか理解してくれない傾向があり、
どんなに説明してもなかなか実像を受け入れてくれないからである。
インテリジェンスに関係なく、男性の方がこういう話を
現実的にとらえるのが早い傾向があると感じる。
しかし、こういうことを聞く私自体、
自分の持つ女性への偏見をやっぱり持っているわけで、
ときに自分自身にうんざりしてしまうのである。
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by decoppati | 2004-12-08 00:23 | 女性のハンディ

当直室

医師の重要な仕事のひとつとして当直がある。
朝から働いたうえに、夕方から病院で泊まって、
夜中や明け方になにかあるのに備えており、
外来を診たり、処置、手術などの治療をする。
もちろん翌日も朝から通常通り働く。

レジデントのときはこれを月に20日以上する。
丁稚なので上の医師にくっついてなんでも観て、
教えてもらって、覚えるわけだ。
こういうこと自体は、
上の人が誰でも通った道なので別になんとも思わなかった。

しかし、唯一そして最悪の苦難は寝場所の確保だった。

女性の先輩がいないため、わたしの医局には女性の当直室がなかった。
入局のときに、教授のほうから当直室を作っておくから、と誘ったのだが。
男性医師用には何人かが寝られる大部屋があった。
先輩から、院内でなにか過ち(!)があると困るので
絶対にそこでは寝ないようにと厳命された。

寝られるのは、廊下に置いたストレッチャー、
処置に使う診療室の硬いベッド、
運がよければ女医さんの多い麻酔科2人部屋の空いてるベッドに
もぐりこむことができたが、麻酔科の女医さんには嫌がられた。
夜中でも明け方でもポケットベルが頻繁に鳴るからうるさい、といわれた。
現場に行くのはわたしなのに。

ベッドで寝ている同じ科の同級生がうらやましかった。
レジデントの仕事は多いので、
文句をいう連中が多かったが、
それでも、ベッドで寝られるなんて幸せだと思った。
口に出すのは悔しかったので、黙ってた。

その後、2年目になって自分で麻酔科の教授に直談判して
トップダウンでベッドを確保した。
今に来る後輩に同じ思いをして欲しくなかった。
ただでさえ、疲れるんだからちょっとでも楽をしよう。
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by decoppati | 2004-11-29 20:09 | 女性のハンディ

女性の女性不信.1

学生の時、人体の解剖実習の前に一悶着あったのは面白かった。

ご遺体の解剖実習は、ほぼ毎日、午後一杯、
数ヶ月にわたって続く長期の実習である。
体は大体左右対称で1対ずつ臓器があることが多いため、
左右に分かれて2人ずつ、一体で計4人の学生が
組になって行われることになっていた。

長期にわたって非常に貴重な解剖をするため、
息のあった人と組むのが好ましいとされ、
出席番号順ではなく、学生の希望で組を決めることになった。

クラスの女子たちのそのときの混乱ぶりに驚いた。
いつもは異常なほど女子だけで徒党をくんでいる女子たちが、
仲のいい女子同士組むことをせず、
各々、一目散にいろんな男子に近づいて、
解剖のペアを一緒に組もう、と懇願しまわっていたのだ。
解剖の実習は要領のいい人がいないと、
連日夜遅くまでかかってしまうという恐怖感からだったらしい。

面白いことにわたしは逆に男子からスカウトされた。
違うクラスの男子だったが、
どこからか私のこれまでの実習での実績を聞き及んでいて
男女など全く気にせず、
なにより要領よく実習をこなす相棒と目して頼んできた。
それは結果として、お互い、いい選択だった。
その後、半年近く、私たちは、なによりクラスで一番
きれいで要領のよい解剖を行うことができた。
空いた時間でアトラスと照らし合わせて勉強する暇もつくった。

男子もいろいろいるから、たとえ女子を避けても、
その男子が優れているとは限らない。
女性同士にも、一般的な能力に関して、
根強い女性不信があるのは残念なことである。
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by decoppati | 2004-11-29 19:41 | 女性のハンディ

大学入試

女性は医学部を卒業しても
フルタイムで働いて、
大学に症例や業績を還元することが
少ないと思われていて、
昔の私立大学の一部では選考に制限があった。
国公立では男女比が1:0.8ぐらいになってるときに
1:0.2切ってたし、
男子では補欠合格だったといってる人が多かったのに、
女子で補欠は皆無だったから明らかだった。

その後、医師過剰時代について叫ばれるようになって
むしろ、フルタイムで働かない可能性がある女性を
増やすことでメリットがでてきた。
また女性の国家試験の合格率が非常にいいというのも
大学運営には大きなメリットだと考え直されるようになった。
今はある程度、普通に選考しているようだ。

医師免許とってフルタイムで働かない男性はあまり聞かない。
面白いことに昔からいわれていることは本当で、
現に私の同級生のうち1/3の女性はフルタイムでは働いていない。
医師過剰時代に向けてやはりいい具合にフェイドアウトする群なのである。
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by decoppati | 2004-11-26 12:48 | 女性のハンディ