カテゴリ:脳外科の仕事( 65 )

放射線技師に緊急検査を頼むとき

レジデントは患者の急変時に
どのぐらい役に立つかで違いがでてくる。
うまくいくと、かなりあてにされるようになる。
日中や時間外で予約や外来を押しのけて
検査を入れるのは、技師などにもよるが
ときに非常に苦労するものである。
昔からやってるコツのようなものがある。
異動しても異動してもいつも円滑に事が捗るから
こういうやり方はどこでも効くのだと思う。

緊急でCT,MRI, ANGIOを入れるとき、
① どんなに忙しくてもだるくても、
   放射線科の技師に直接頼みに行くようにする。
② 嘘でもいいから、技師がわかるように平易な言葉で
  「どうしてこの検査が今この患者に必要なのか」を
  簡潔にプレゼンテーションし、
  緊急でやりたい感を強くアピールする。
③ そして、検査をしてくれることに決まったら、
  どんなに他の仕事がたまっていて忙しくても、
  一瞬でもいいから検査室に顔をだして検査の様子をみにいく。
  どちらにせよ、コールがじゃんじゃん鳴るので、
  そしたら 「呼ばれちゃったので行きます。
  ありがとうございました。」といって去る。
  幸い、結果がでたところに居合わせたら、
  技師に結果についてコメントして、
  その検査が患者の容態把握に
  どんなに役に立ったかを付け加えておく。
④ こういうことを繰り返すうちに、顔を出しただけで、
  或いは電話で声を聞いただけで
  気持ちよく、なんでもすぐにいれてくれるようになる。

所詮は人間同士、結構頑固にみえる技師さんたちも
医療関係者であるわけだから、
患者のためには一肌もふた肌も脱いでくれるものだ。
コメディカルとうまく仕事をすることができると、
きつい仕事もだいぶ軽減する。
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by decoppati | 2004-12-03 21:03 | 脳外科の仕事

裏方さん

男性ばかりの科のため、愛想がいいだけでも、
いやがおうでも、誰にでも覚えられやすい。
レジデントなど若いときならなおさらだ。(病院に居る時間が異常に長い)

警備員、電話の交換手、掃除のおばさん、食堂のおじさん、おばさん、
配膳のおばさんなどなど、
病院の裏方というべき存在の人々でさえも、注目している。

世の中捨てた物じゃないと思ったのは、
一所懸命やってる姿は意外な人が知っているということ。

都会の大学病院にもかかわらず
掃除のおばさんがロッカーの上に
共用の女性用の白衣のきれいなのをいつもいつも置いておいてくれたり、
配膳のおばさんが食事待ちの検査のあと、
要らないといわれた特別室の食事を
私の名前を書いたラップをしてとっておいてくれたり、
警備員が帰りの足がないことを心配して車を呼んでくれたり、
わたしのレジデント生活に何筋もの光を与えてくれた人々は多い。

こういう小さなことが、寝るのにも食べるのにもこと欠く生活では
とても大きな力になるのだ。
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by decoppati | 2004-11-29 20:27 | 脳外科の仕事

女性の入局

最近では、脳神経外科にも段々女性が増えてきて、
今ではどこの大学でも女性を採用しているように思う。

私の入局する頃は、
まだ女性を入れていない大学が多かった。
私のところもそうだった。

すでに他の大学では10年ほど上の女性が数人活躍していた。
世代が違うのでなんともいえないが、
ちょっと我々の世代とは違った感じで、
今でも違和感がある。
学会ではおっさんたちのなかで、
帽子までかぶって着飾ってひらひらしていて驚いた。
おっさんに囲まれてアイドルみたいになってた。
普通にスーツ着て、落ち着いて居ちゃいけないのか。
ただでさえ、女性だというだけで目立つのに。

私のところでは、
医局の上層部が
どうやら他大学にいたそのアイドル女医さんに憧れたり、
アメリカ人教授の「女医さんはいますか?」
という問いに答えるべく、
なぜか唐突に私の代から女性の採用の門戸が開いた。

どういう経過でも、
とりあえず入局できることに決まったのだった。
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by decoppati | 2004-11-27 01:33 | 脳外科の仕事

なぜ脳神経外科に惹きつけられたのか

勧誘の件はともかく、
学生の時に脳神経外科に惹きつけられたのには理由がある。

脳や神経、その機能に興味があった。

救急医療の要素が多分にある。

③気性からいって、
 起承転結のはっきりしている外科系に向いてそうだった。

④外科系のなかで考えてみると、
 同じ患者を発症から治療まで一貫して診られる外科
 面白そうだった。

 胸部外科は直接かかる患者より、循環器内科や呼吸器内科からの
 紹介が圧倒的に多いように思った。
 一般外科も、消化器内科や一般内科からの
 紹介患者を手術する印象が強かった。
 乳癌などもちろん例外もあるが。
 いずれも検査などひとしきり終わって、
 大体の疾患の目星がついていて、
 治療のために外科に廻されてきてるような印象があった。

 初診の患者に必要な検査を選び、
 結果を吟味し、精査を加えて自分で診断して、
 治療を選択して、外科的治療が必要であれば手術し、
 術後管理をし、退院まで面倒を見るタイプの外科。
 他に小児外科、整形外科、耳鼻科、産婦人科、眼科、
 泌尿器科などが挙げられる。

 そのなかでマイナー系にはあまり興味はなかったし、
 上の①②を併せ持つのは脳神経外科しかなかった。

この仕事をして早いものでもうゆうに10年を超える。
すでに専門医になって数年経ち、博士号ももらった。
今でもこの自分の選択は正しかったと思う。
今でも脳神経外科に興味は尽きない。
(なのに、ちょっと勉強をさぼりがちである。反省。)
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by decoppati | 2004-11-27 00:24 | 脳外科の仕事

医局勧誘

医学部の高学年になると病棟実習で各科を廻るのだが、
その際、ほのかに、あるいは強引に
医局への勧誘合戦が行われる。

だいたいどこでも勧誘は男女ともに行われる。

脳神経外科を廻ったとき、
指導医が私たち学生に、
「おいしい物食べに連れてってやろう。脳外科のこと教えてあげるよ。」
といった。
どこでも入る入らないは別にして勧誘であっても
金のない学生にとって先輩の御馳走は嬉しい物である。

しかし。
いつものように
男子の同級生たちと一緒に行こうとしていた私に、
彼は冷たく、「今まで女は入局させてないから、来る必要ないよ。」
のたまわった。

初めて脳神経外科の特殊な男性優位社会を思い知った瞬間だった。
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by decoppati | 2004-11-26 12:55 | 脳外科の仕事