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完全なる男社会

入局して一番気をつけたのは、「完全なる男社会」に
なるべく波紋をおこさないこと。

いままでと同じように、下ネタ話も、愛人自慢、絶倫話も、誇大妄想話も
みなさんがこころおきなくできるように、聞こえても聞こえないふり。
関係ない限り、見えない、聞こえない、発言しない。
実害あるわけでないので、抗議もしない。
ストレスの多い職場、毎日3食をともにするような環境のなか、
みんな家族団欒のように過ごすのだから、
実際に身に危険が及ばない限り、
誰が何を言っても構わない。

大体どこかに裸のピンナップや
プレイボーイのカレンダーなんか貼っちゃってたりしてるが
別にどうでもいい。

こちらに下ネタ振られることはよくある。
「どこでやるのが好き?」「どんなパンツはいてるの?」
「車のなかでやったことある?」などなど。(下品で恐縮だ。)
答えずに「先生は?」と返すだけ。
ほんとのことなんか教えない。
なにか答えたら大変なことになるからいわないほうが身のため。
いわなくても、勝手にストーリーが構築されていく。
そしてそれが一人歩きして、
壮大な妄想になってそこらじゅうに飛んでいく。
ほんとじゃないだけずっとまし。
それに、10数年前でさえ、口を割らないからといって、
真面目に怒られたり仕事に不利になることはなかった。
尊厳までは誰にも奪わせない。

お世辞にも3の線がいいとこ同士で
「先生やりますなあ」
「先生こそもてますなあ」とか
言い合っちゃってても、抗議しないし、馬鹿にもしない。
そりゃ、学生のときは大いに突っ込みをいれたものだが、
ここは我慢。

いわせてやろうじゃないか、かき乱さないで居てあげよう、
この男性にとって超平穏な「男社会」を。
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by decoppati | 2004-11-29 21:15 | 男性医師の生態

自然に、無理せず。

neikoさんがコメントされたように
痛々しいくらい女性扱いを拒絶したり、男言葉や下品な会話をして対等になろうとする先輩、こちらが恥ずかしいくらい女性である事を過剰にアピールしてしまう先輩...

ほんと。
なりたくない、ならないように気をつけたい例は周囲にごまんとある。

男性の同級、後輩を無理に呼び捨てしたり、
看護婦に頭ごなしに命令する女性。
上司を喜ばせるために頼まれもしないのに
下ネタを場所をわきまえず繰り出す女性。
かと思うと、上司や教授やえらいおじさんには
女全開でごろごろのどを鳴らして近づく女性。
膝の上に乗ってる女医さんをみたときには呆気にとられた。
上司や先輩にあだ名で呼びかけ、ため口をきく女性。
特別扱いを受けるのを当然だと感じる女性。

自分が女性だから許される立場でいないかどうか、
いつも気をつけないとわからなくなってしまう。

性差はあるがままでいいと思う。
別に女性が男ぶる必要はないし、(レズの男役ならともかく)
男社会に意に反して理解を示す必要もなし、
また、逆にカマトトぶる必要もない。
一般的に女性のほうが体格が小さく、非力であるのは事実だし、
男性のほうが一般的に情緒に欠けるのも事実。
もちろん一般規格からはずれる人もお互いにいる。

あるがまま、なるがまま、
仕事に関しては性別関係なく
人間同士としておおらかにいきたいものだ。
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by decoppati | 2004-11-29 20:50 | 女性にもいろいろ

裏方さん

男性ばかりの科のため、愛想がいいだけでも、
いやがおうでも、誰にでも覚えられやすい。
レジデントなど若いときならなおさらだ。(病院に居る時間が異常に長い)

警備員、電話の交換手、掃除のおばさん、食堂のおじさん、おばさん、
配膳のおばさんなどなど、
病院の裏方というべき存在の人々でさえも、注目している。

世の中捨てた物じゃないと思ったのは、
一所懸命やってる姿は意外な人が知っているということ。

都会の大学病院にもかかわらず
掃除のおばさんがロッカーの上に
共用の女性用の白衣のきれいなのをいつもいつも置いておいてくれたり、
配膳のおばさんが食事待ちの検査のあと、
要らないといわれた特別室の食事を
私の名前を書いたラップをしてとっておいてくれたり、
警備員が帰りの足がないことを心配して車を呼んでくれたり、
わたしのレジデント生活に何筋もの光を与えてくれた人々は多い。

こういう小さなことが、寝るのにも食べるのにもこと欠く生活では
とても大きな力になるのだ。
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by decoppati | 2004-11-29 20:27 | 脳外科の仕事

当直室

医師の重要な仕事のひとつとして当直がある。
朝から働いたうえに、夕方から病院で泊まって、
夜中や明け方になにかあるのに備えており、
外来を診たり、処置、手術などの治療をする。
もちろん翌日も朝から通常通り働く。

レジデントのときはこれを月に20日以上する。
丁稚なので上の医師にくっついてなんでも観て、
教えてもらって、覚えるわけだ。
こういうこと自体は、
上の人が誰でも通った道なので別になんとも思わなかった。

しかし、唯一そして最悪の苦難は寝場所の確保だった。

女性の先輩がいないため、わたしの医局には女性の当直室がなかった。
入局のときに、教授のほうから当直室を作っておくから、と誘ったのだが。
男性医師用には何人かが寝られる大部屋があった。
先輩から、院内でなにか過ち(!)があると困るので
絶対にそこでは寝ないようにと厳命された。

寝られるのは、廊下に置いたストレッチャー、
処置に使う診療室の硬いベッド、
運がよければ女医さんの多い麻酔科2人部屋の空いてるベッドに
もぐりこむことができたが、麻酔科の女医さんには嫌がられた。
夜中でも明け方でもポケットベルが頻繁に鳴るからうるさい、といわれた。
現場に行くのはわたしなのに。

ベッドで寝ている同じ科の同級生がうらやましかった。
レジデントの仕事は多いので、
文句をいう連中が多かったが、
それでも、ベッドで寝られるなんて幸せだと思った。
口に出すのは悔しかったので、黙ってた。

その後、2年目になって自分で麻酔科の教授に直談判して
トップダウンでベッドを確保した。
今に来る後輩に同じ思いをして欲しくなかった。
ただでさえ、疲れるんだからちょっとでも楽をしよう。
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by decoppati | 2004-11-29 20:09 | 女性のハンディ

女性の女性不信.1

学生の時、人体の解剖実習の前に一悶着あったのは面白かった。

ご遺体の解剖実習は、ほぼ毎日、午後一杯、
数ヶ月にわたって続く長期の実習である。
体は大体左右対称で1対ずつ臓器があることが多いため、
左右に分かれて2人ずつ、一体で計4人の学生が
組になって行われることになっていた。

長期にわたって非常に貴重な解剖をするため、
息のあった人と組むのが好ましいとされ、
出席番号順ではなく、学生の希望で組を決めることになった。

クラスの女子たちのそのときの混乱ぶりに驚いた。
いつもは異常なほど女子だけで徒党をくんでいる女子たちが、
仲のいい女子同士組むことをせず、
各々、一目散にいろんな男子に近づいて、
解剖のペアを一緒に組もう、と懇願しまわっていたのだ。
解剖の実習は要領のいい人がいないと、
連日夜遅くまでかかってしまうという恐怖感からだったらしい。

面白いことにわたしは逆に男子からスカウトされた。
違うクラスの男子だったが、
どこからか私のこれまでの実習での実績を聞き及んでいて
男女など全く気にせず、
なにより要領よく実習をこなす相棒と目して頼んできた。
それは結果として、お互い、いい選択だった。
その後、半年近く、私たちは、なによりクラスで一番
きれいで要領のよい解剖を行うことができた。
空いた時間でアトラスと照らし合わせて勉強する暇もつくった。

男子もいろいろいるから、たとえ女子を避けても、
その男子が優れているとは限らない。
女性同士にも、一般的な能力に関して、
根強い女性不信があるのは残念なことである。
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by decoppati | 2004-11-29 19:41 | 女性のハンディ

女性の入局

最近では、脳神経外科にも段々女性が増えてきて、
今ではどこの大学でも女性を採用しているように思う。

私の入局する頃は、
まだ女性を入れていない大学が多かった。
私のところもそうだった。

すでに他の大学では10年ほど上の女性が数人活躍していた。
世代が違うのでなんともいえないが、
ちょっと我々の世代とは違った感じで、
今でも違和感がある。
学会ではおっさんたちのなかで、
帽子までかぶって着飾ってひらひらしていて驚いた。
おっさんに囲まれてアイドルみたいになってた。
普通にスーツ着て、落ち着いて居ちゃいけないのか。
ただでさえ、女性だというだけで目立つのに。

私のところでは、
医局の上層部が
どうやら他大学にいたそのアイドル女医さんに憧れたり、
アメリカ人教授の「女医さんはいますか?」
という問いに答えるべく、
なぜか唐突に私の代から女性の採用の門戸が開いた。

どういう経過でも、
とりあえず入局できることに決まったのだった。
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by decoppati | 2004-11-27 01:33 | 脳外科の仕事

「食堂に弁当を持っていくようなもの」とは。

医局から命じられて、
遠くの赴任先に6ヶ月から1年行くことがある。
この際に、嫁さんや彼女を伴っていくことを、
同僚たちは
「食堂に弁当を持っていくようなもの」だと評する。

そのこころは、
赴任先の病院では、看護婦や事務員、若い病院医療作業員を相手に、
男性医師が入れ食い状態でしたい放題だから。
遠方の赴任先では、むしろ結婚してる方がもてる。
お互いに後腐れがないからだ。

そのためには、嫁や彼女は本拠地に置いておいて
単身赴任するのに限るらしい。
そうやって寂しそうな顔を作って家を出て、
笑顔で竜宮城に向かうのだ。
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by decoppati | 2004-11-27 01:12 | 男性医師の生態

なぜ脳神経外科に惹きつけられたのか

勧誘の件はともかく、
学生の時に脳神経外科に惹きつけられたのには理由がある。

脳や神経、その機能に興味があった。

救急医療の要素が多分にある。

③気性からいって、
 起承転結のはっきりしている外科系に向いてそうだった。

④外科系のなかで考えてみると、
 同じ患者を発症から治療まで一貫して診られる外科
 面白そうだった。

 胸部外科は直接かかる患者より、循環器内科や呼吸器内科からの
 紹介が圧倒的に多いように思った。
 一般外科も、消化器内科や一般内科からの
 紹介患者を手術する印象が強かった。
 乳癌などもちろん例外もあるが。
 いずれも検査などひとしきり終わって、
 大体の疾患の目星がついていて、
 治療のために外科に廻されてきてるような印象があった。

 初診の患者に必要な検査を選び、
 結果を吟味し、精査を加えて自分で診断して、
 治療を選択して、外科的治療が必要であれば手術し、
 術後管理をし、退院まで面倒を見るタイプの外科。
 他に小児外科、整形外科、耳鼻科、産婦人科、眼科、
 泌尿器科などが挙げられる。

 そのなかでマイナー系にはあまり興味はなかったし、
 上の①②を併せ持つのは脳神経外科しかなかった。

この仕事をして早いものでもうゆうに10年を超える。
すでに専門医になって数年経ち、博士号ももらった。
今でもこの自分の選択は正しかったと思う。
今でも脳神経外科に興味は尽きない。
(なのに、ちょっと勉強をさぼりがちである。反省。)
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by decoppati | 2004-11-27 00:24 | 脳外科の仕事

女性が「血をみるとくらくらする」?

bz_raigaさんからコメントいただいたので思い出しました。
あるドキュメンタリーで本当に血を見ると気絶もしくは
クラクラするという女性がそれでも立派な医師になりたいから、と懸命にそのコンプレックスと向き合っていく、というのをテレビで観たことがありましたが、


そうなんです。いましたよ、そういう女性たち。

「血をみるとくらくらする」って
よく学生のときに男子にアピールする女性いましたが、
女性では通常ありえませんって!

だって小学生か中学生の頃から毎月血をみてきたんじゃありませんか。
それも相当の量の。
慣れているはずです。

むしろ、男性のほうにこそ、本物の血液恐怖症がいます。
普通の生活してたら、擦り傷程度の血しか見たことありませんからね。
仕方がないことです。

いつも思うのですが、こういうタイプの女性たちって
男性のいる場ではアピールしますが、
これが全く女性だけだったら、まず、しないのではないのでしょうか。
ちなみに、女子医大などでは教えるほうに男性が多いので
やっぱりアピールするそうです。

あーあ。
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by decoppati | 2004-11-26 18:16 | 女性にもいろいろ

医局勧誘

医学部の高学年になると病棟実習で各科を廻るのだが、
その際、ほのかに、あるいは強引に
医局への勧誘合戦が行われる。

だいたいどこでも勧誘は男女ともに行われる。

脳神経外科を廻ったとき、
指導医が私たち学生に、
「おいしい物食べに連れてってやろう。脳外科のこと教えてあげるよ。」
といった。
どこでも入る入らないは別にして勧誘であっても
金のない学生にとって先輩の御馳走は嬉しい物である。

しかし。
いつものように
男子の同級生たちと一緒に行こうとしていた私に、
彼は冷たく、「今まで女は入局させてないから、来る必要ないよ。」
のたまわった。

初めて脳神経外科の特殊な男性優位社会を思い知った瞬間だった。
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by decoppati | 2004-11-26 12:55 | 脳外科の仕事