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同級生≠医局の同期

職業訓練校である医学部を卒業すると
大学の同級生はほとんどすべて医師としての同期となる。
みんな散り散りに研修したい場所へと散っていくので
仕事をし始めてからは
間近に大学の同級生がそうそういるわけではない。
卒業した大学病院に残った場合とて、
仲がよかった友人たちに限って外に武者修行にでてしまい、
同級で残っているのは
6年もの学生生活を通して興味が湧かず、
話をしたくなかったような連中だけだったりもする。
そしてよりによってそういう連中と医局の同期として
長きにわたって付き合っていかなければならなくもなる。

性格に難があり大学のときには同級の中で孤立していたような人。
医局に入って、過剰に先輩に擦り寄ることで居場所を確保できたりする。
外科系ではパシリができれば性格がどうであれ上等兵である。
またこういうタイプに限って、
先輩が聞きたいだろうことを話を作ってでも吹き込むもので、
こういう同期がいると最初から足の引っ張り合いが横行し
ひどい有様となる。
よもやこんな目にあったら、
あらぬ疑いをかけられても
生真面目に真実を訴え過ぎず、人を非難しすぎず、
クールに過ごし、仕事に専念しているのが良いように思う。

研修医のときなど、
忙しいと他の科の人間と顔をあわせる機会がほとんどないので
本当に狭い世界の中の小さな尺度でしかものを考えられなくなる。
第三者的に考えたらたいしたことでもないのに
忙しくて消耗しているのもあって
ふとしたときに変なことを深く思い悩んだりする。
そういうときにICUや廊下で他科にいった友人たちと遭遇して
明るい声で話しかけられたり馬鹿話をすると
ぱっと我に帰ることができる。
自分には沢山、親身になってくれる面白い友人がいたんだよな、
医局だけが人生じゃなかったんだよなあ、と。
今ならネットもあるし、遠くの友人でも簡単にコンタクトがとれるから
そこまでの寂寥感はそもそもないかもな。

医局の同期というのは1年程度の研修期間中は一緒に育てられるが、
二年目以降はばらばらの場所で研修に入るので
実はその後、同じ場所で働くことはまず皆無である。
(あくまでうちの医局の場合)
だから関係なく暮らしても別に支障はない。
仲のいい同期同士というのはきつい研修の間、慰めあったり
違う病院にいながらも連絡を取り合い、
情報を交換して楽しそうにやっている。
脳神経外科の場合、研修の最後に専門医試験を通るので、
その受験勉強は通常なら同期同士で結束してやるようだ。
それにしても、独力で勉強しても通るので大丈夫。

なんの仕事でもそうだろうが、
学生じゃあるまいし、仕事の仲間でつるんでる必要なんてない。
ひとたび仕事を離れたら、
あとはほんのわずかな自由時間がよりよいものになるように
気楽で思いやり深い友人と屈託なく楽しく過ごましょ。
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by decoppati | 2006-05-29 23:44 | 脳外科の仕事

病院の中の温度管理

いつも飛行機に乗るとあの乾燥のなか
長時間仕事をする人の苦労はいかばかりかと察する。
まあ、そこまでいかないが、
病院の中で日常的に半ば軟禁状態でおかれる身としては
温度/湿度管理も気になるものである。

基本的に病院というのはセントラルヒーティングであり、
オールシーズン適温で保たれているものである。
が、しかし!
どこの病院でも多かれ少なかれ真実だと断じるが、
それは患者のいるスペースの話であって、
患者のいないスペースの扱いは極めて悪い。
天と地ほどの違いがある、と思う。

医師の当直室の空気の悪さったらないし、
(おまけに病院と思えないほど不衛生)
管理部門の廊下、医局、夜の外来などで
エアコンディショナーが効かない(切ってある)のはよくあること。
冬は寒く埃っぽく、
夏は暑い、蒸し暑い。
なまじっか送風だけしてあって乾燥する。
まあ、昼間だけ医局でエアコンが使える病院もある。
それも考えようで汗っかき太め医師などに21℃強風などに設定され、
夏にもかかわらず極寒に震える羽目にもなる。
これはどこの職場でもそうだろう。
OLと同じように女性はブランケットやパーカーなど常備している。
男性は乾燥に強いのか気にしないのか、うらやましいが
(脂ぎってるから大丈夫なのか?)
乾燥にはエビアンのでかスプレー、気休めに常備。

それより根源を断ち切るには、
エアコンコントローラー上げ下げの仁義無き戦いに参戦することだ。
寒い設定になってるのに気付いたらすかさず
24-5℃弱風など万人にとっての適温に変更。
でぶな下級生が赴任してきたら、釘を刺しておくのも重要。
そのうち目で制するだけで下げられなくもなる。
しかし、リラックスできる少しの時間に
こんなことに労力をとられるなんて癪にさわるわけである。
こんなささいなことも我慢しない性分が一番問題か。
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by decoppati | 2006-05-23 00:40 | 女性のハンディ

へそくり

結婚している男性医師の場合、
財布の紐はやはり奥さんが握っていることが多い。
とにかく夫の浮気やくだらない遊びで
あとで悩まないためには
財源を断ち切ることが重要なのだそうだ。

かなり完璧に押さえられていることが多く、
とにかく抜け道がない、らしい。
クレジットカードはどこで使ったかレポートが来るのでNG,
普段家に居られないことが多いため、
郵送されてきたレポートをいちいち始末することさえできない。
同様の理由でもう一台の携帯を持つのも難しいらしい。
給与は最近は銀行振り込みであるから、
銀行でおろせばすぐ足がつく。

かくして彼ら既婚男性医師の知恵は他の方向に働いていく。
携帯は下級生の協力を無理やりとりつけてゲット。
ゲンナマでもらえる仕事には他のひとを押しのけてでも行く。
単発の仕事でそういうこともチラホラある。
特に泊りじゃないことが必須。(妻に働いたことがばれる)
(競艇/競輪場での待機医師とか献血関係、
搬送業務、カルテの翻訳など)
もちろん妻にはそんな仕事の存在がばれないように
細心の注意を払うことはいうまでもない。
あとは患者からの心づけを懐にいれちゃうことにもなる。

前に先輩から真剣な表情で
突然「100万貸してくれ」といわれたことがある。
貸せというからには理由を聞いたら、
クラブの女のでまかせに違いないトラブルを大真面目に語ってくれた。
簡単に騙されちゃうんだなーと笑いつつ、はっきりと断った。
あとでやっぱりそんなの嘘だったと判明し、
私のおかげで騙されずに済んだと礼をいわれた。
まあ、いくら先輩後輩でもカツアゲされることまではないが、
気の弱い後輩だったらもしかして簡単に差し出しちゃうかもしれない。
収入から言ったらすぐ返してもらえそうな額でも、
妻にいえない内容だったらへそくり集めるのに時間がかかる。
要注意!
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by decoppati | 2006-05-12 20:47 | 男性医師の生態

脳外科疾患の宿命

脳は再生困難な臓器であるために、(実験と臨床は別)
脳外科にやってくるような疾患では
発症と同時に運命が決定付けられることが多い。
脳は場所によって多岐多彩な機能を担っているので
やられた場所によって出てくる症状が違う。
ただ、人によってマップが全く違うわけではなく、
おおまかにはどこにどの機能というのは判明しており、
大体のところは同じである。

誰であっても病院にたどり着く前に
修正不能なほどに脳の損傷が与えられてしまうと
どんなに手をつくしても元に戻ることはない。
ただ、「元に戻れなく」ても、救命されるように治療が行われる。
損傷された場所をみれば最低限
どんな後遺症が残るのかは予測ができる。
ただでさえ、亡くなるような重症も多いわけで
喋れなくなったり、嗅覚・視覚・聴覚に障害を負ったり、
意識が悪いまま植物状態で経過したり、
どちらかの上下肢の運動が妨げられたりと
大きな障害が残ることがすごく多い。
例外的に、幼児や若年者では回復が非常によく、
もともと血管奇形などがある人の一部などでは
予測できないほど改善する人もいる。

死んでしまったらそれまでだが、
生きていれば症状が改善する可能性が残る。
障害とともに生活していくのは本人にとっても家族にとっても
非常に大変なことであるが、
生きている限りはなにかしら張り合いや楽しみを持っていただけるよう
バックアップするのも脳外科の仕事のうちである。
「手術が成功する」のと、
「元通りに戻る」のが別意であることが多いこの仕事、
独りよがりにならず、人の身になって
きめ細かい目配りができるよう気をつけていきたいものである。
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by decoppati | 2006-05-04 06:38 | 脳外科の仕事