異性への評価は辛い

いつも面白いなあと思うことだが、
相当トロイ奴でも
男でありさえすれば、
男同士の甘い評価の恩恵にあずかれる。

同じ仕事を同じようにうまくできたとしても
男性同士は互いを過大評価しあい、
逆に女性については過小評価する。
うまくできてたら、攻撃材料を探しさえする。

女性が男性たちから手放しでほめてもらうためには
男性同士とは違って、
目を見張るほどできがよくないといけない。
男性同士だったら、平凡でもよくお互いを称えあってるけど。
ま、目を見張るほどうまくできたところで、
成果を無視されたり、
「要領がいいだけ」とか「女だから特別なのでは」とか
いろいろちくちく中傷されはじめたりする。
おかしいだろっ、それは。

とにかく、できない男性ほど、
女性に対する妬み、嫉みってものすごい。
うまくできない、仕事が半人前の女性のことは
馬鹿にしてるけど、
普通にできるひとには容赦ない。
小さいんだよなあ、度量が。

こういうことなしに
フェアに物事を見ることができる人も少数ながら存在する。
こういう人々の存在があるからこそ
楽しく仕事を続けてくることができたのだが。
見ている人は見ているし、
真実は決して曲げられない。
腐らず、おごらず、前進することだ。
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# by decoppati | 2004-12-19 08:55 | 女性のハンディ

男のほうが「女の腐ったような奴」が多い?

男社会にいて感じることは、
意外と男でも、多くは群れるのが好きで、
集団から逸脱することを嫌い、
意見をはっきりいうことをよしとせず、
二枚舌をつかったり、風見鶏的にふるまうことが多いということだ。

特に、権威に弱い。
患者としてきた政治家や企業のトップ、各界の重鎮や
実際の大学や病院の上層部に対して、
露骨なほどゴマをすったり、
信じられないほど一生懸命とりつくろう。
馬鹿馬鹿しい。魂胆みえみえなのに。
でもそれが、効を奏するんだな。
トップの人間たちもゴマすられるのが、好きだから。

また失敗を潔く認めることをせず、
なんだかんだ言い訳をだらだら言い続ける卑怯者も多い。
何か問題が起きたとき、患者が怒っているとき、
感情の行き違いがあったとき、
面と向かって対峙すればすんなりとほどけてしまうのに、
それを怖がって逃げ回っているせいで
問題を大きくすることの、なんと多いことか。

男らしい男って、
これだけ男だらけの医局でもなかなかお見かけしないが
どこかには実在するのだろう。

複雑な心境だが、恥ずかしながらわたし、
どこの病院でも、
患者やコメディカルに好意的な意味だと思いたいが、
よく「男らしい」と評される。
レズじゃないんだが。

群れるの嫌いだし、ゴマをするのって大っ嫌い。
言い訳をぐっと我慢して潔く謝り、
補足することがあれば、
違う機会を見計らってすることにしてる。
トラブってるところには、必要ならすぐに飛んでいく。
言いべきことはタイミングをみて誰に対しても言う。
悪口は嫌いなので、用があればその相手に面と向かって言う。
それが脅威にうつるらしい。
悪口をいうタイプの人に限って、面と向かってこれだけいうんだから、
裏で何をいわれているかわからないと思うらしい。
裏なんてないのに!

悪口、策略、陰謀、ゴマすり上位の
この女々しい男の世界では
メインストリームにはなりえないですな。

それはそうと、下級生たちにいいたい。
男ももっと「男らしく」振舞ってくれよ。情けないぞ。
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# by decoppati | 2004-12-18 20:08 | 男性医師の生態

腹上死 もどき.2

前の話のつづき。

逆にまさに天晴れな人もいた。

ある女性が不倫中に倒れてやはり重度の後遺症が残った。
そこで夫は妻が自分の親友と寝ていたことをはじめて知るところとなった。
夫も、愛人も頻繁に面会に来て、彼女を支え、
結局退院の時に、両者が話し合って、
夫が泣く泣く手を引き、
愛人のほうが一緒に住んで彼女の介護をすることになった。

天晴れな女性であり、夫も愛人も素晴らしい。
彼女が病前にいかに多くのものを彼らに授けていたかが偲ばれた。
どんなに重い病に倒れても、
病前に人にどのように接していたかによって、
多くの物を得られるひとも居るのである。
これぞ「女冥利につきる」わけで、うらやましかった。
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# by decoppati | 2004-12-18 19:33 | 脳外科の仕事

腹上死 もどき.1

こういう仕事をしていると、さまざま思いも寄らぬときに倒れて、
意に背いて搬送されてくる人を沢山みる。

多くは交通事故、仕事中、家庭で就寝中といったものだが、
事実は小説より奇なりといったことが起こることも多い。

一番、バツが悪そうなのはいわゆる「腹上死」もどきである。
もどき、となるのはまだ死んでないからである。
面白いことに、これが起こるのは婚外交渉時にまず限られる。
やはり、スリルや興奮度が違うのだろうか。
家でのセックスの途中にご主人がひどい脳内出血を起こした例を
一例だけ知っている。
これは田舎の病院だったが、奥さんはご主人の家族にずっと
「あんたのせいで身体障害者になって」と責められて、かわいそうだった。
医師からすれば、夫婦でありながら「腹上死」しそうになるなど
純粋な人たちだなあ、と違う意味で感心していた。

あと「腹上死」もどきで印象に残っているのは、
タクシー運転手が勤務中にラブホテルに愛人としけこんでいたという例。
愛人といっても奥さんと同じ世代のおばさんだったが、
そのラブホでタクシー運転手が意識不明となってしまって運ばれてきた。
長年の愛人で患者の持病や常用薬のことも良く知っていて助かった。
病院で修羅場になるのを避けてもらいたかったので、
ほんものの家族が来る前に退散していただいた。

後から来たタクシー会社も奥さんもこの経緯は全く知らず、
客を装って会社に連絡した愛人が、
運転手がタクシー運転中に調子が悪くなって、意識が悪いので
救急車を呼んで病院に運んだと言ったのを信じていた。

できる限り余計なことを言わないようにしていたが、
タクシー会社の人間に、
「それでうちのタクシーはどこにあるんでしょうね?」 と聞かれて
救急隊から聞いていたラブホテルの所在を伝える羽目になった。
車はラブホテルの駐車場で発見された。
会社の人の同情がみるみる冷めて、軽蔑へと変わっていった。

あいかわらず、奥さんは経緯を聞かされておらず、
かといってまったくなにも疑っておらず、
「うちの人はとっても家庭思いで
 昨日も先週の日曜も外食に連れて行ってくれた」とか感謝していたが、
真相を知ってる身としてみれば、
それは不倫するんで怪しまれないように
家庭サービスしといただけだろう、と思っていたたまれなかった。

後になって、奥さんがこれは労災じゃないか、といいだしたので、
会社に聞いてみたほうがいい、といった。
彼女は会社から全てを聞かされたらしい。
それから家族の見舞いが減ったのはいうまでもない。
後に離婚されたように記憶している。
勤務中にラブホテルで遊んで挙げ句、
身体が効かなくなって、会社にも家族にも愛人にも愛想つかされたのも
自業自得であったといえる。
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# by decoppati | 2004-12-18 14:06 | 脳外科の仕事

名前、住所の捜索

前の話に関連して、もひとつ不思議なことを。

警察も当てにならず、身元不明患者の所持品を丹念に探していくと、
世の中には結構変な人がいるんだということがわかる。
何故か、免許証を持っているのだが、
顔も年恰好も患者とは全くちがうことは意外とある。
2枚、ちがう名前の免許証を持っていた人も何人かみたことがある。
なんのために、他人の免許証を持って歩いているのか不明である。

また偽名を何個か持っている人って意外といる。
貯金通帳、ビデオレンタルカード、ポイントカード、
果ては消費者金融のカードなんかで
微妙にちょっとずつ名前が違っていて
どれが本名かわからない人って
思っているより多い。

すごかったのは、財布を2つ持っていた人。
救急者で運ばれて来たのは若いおにいさんだったのに、
彼の持っていた1つの豪華な財布に入っていたのは
70歳台の人の免許証、保険証、
ゴールドカード何枚かと現金20万円以上だった。
これは後で、そのお兄さんが盗んだものと判明。
その人は、逃げる途中だったのか
走ってきた車に自分から飛び込んでしまったらしく
ほぼ即死状態であった。

突然、不慮の事故にあって現場を混乱させないために
なるべく財布の中には人の免許証とか保険証、
偽名でとったビデオレンタルカードなんかいれとかないようにしましょ。
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# by decoppati | 2004-12-18 13:29 | 脳外科の仕事

オレオレ詐欺の余波

このところ巷では「オレオレ詐欺」について報道がすさまじい。
注意を促す報道が多岐にわたっているようで、
なぜかこの余波で困ることが発生している。

わたしの仕事である脳神経外科では
救急で運ばれる患者が多い。
そして患者自体の意識が悪いために、
重症であればあるほど、
患者本人から全く情報がとれなくなる。
所持品がないと、名前も住所もわからないことになる。
そういう人の特定をするのは警察の仕事になる。

独りで歩いていた人が突然轢かれて
頭に外傷を負って搬送された場合、
まず、申し訳ないが所持品をあらためて、名前、連絡先を探す。
それがだめなら、患者の持ってた携帯電話で「自宅」とか「かあさん」とか
書いてあることろの番号を書き写して、病院から
「今、意識不明で運ばれた人が持っていた携帯でみて電話しています。
もし心当たりがあればこちらの病院にすぐ来ていただきませんか?」
と電話する。(患者の携帯をそのまま使うことは禁じられている。)

そこが悲劇の始まりで、
よくあるのが、知らない番号からの発信のため無視されること。
あと、最近はオレオレ詐欺を注意するあまり、
かなり長いことこっちの話を信じてくれなくて、
明らかに詐欺師を想定した
まどろっこしい質問をだらだら受ける羽目になること。

どこの詐欺師が、「すぐ病院に来てください」なんていうのか
ちょっと考えてもらいたいのだが。
一刻を争う重症のときに限って、こんなやりとりをしてるのも
本当に時間の無駄だと思う。
迷惑な「オレオレ詐欺」である。
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# by decoppati | 2004-12-18 13:17 | 脳外科の仕事

不穏な患者の対処

脳神経外科をやっている限り、避けて通れないのが、
不穏な患者の対応だ。
不穏な患者というのは、大きな声で叫んだり、殴ったり、蹴ったり、
興奮して物を投げたり、噛み付いたりする状態の患者を言う。

大体、当直帯などに「OOさんが暴れていて手がつけられません」
と看護婦に呼ばれることになる。

こういうときこそ、看護婦たちが当直が女の医者であることを
不安に思うだろうが絶対にそうさせたくない、と思う。

いつも気をつけているのは、
必ず電話でいろいろ聞かず、現場に急行して、
一番動かしている手や足、一番危険そうなところに自分が立つこと。
噛まれようが、頭をがんがんたたかれようがひるまないこと。
はっきりいって、看護婦になにもしないでいてくれればよいのだ。
そして本人が怪我をしないで、病気を悪くしなければよい。
鎮静剤の注射を持ってきてもらって、暴れている腕を押さえ、
看護婦の安全を確保して、筋肉注射してもらう。
その後は、すこし患者がおとなしくなるので、
ベッドに身体を抑制するバンドなどを装着して
留めてしまう。

女の医者だからこそ、頼りないと申し訳ないと思って
これまでそうやってきたが、
意外なことに良く聞くのは、
ほかの医者(男性陣)は電話で「鎮静剤の注射打っといてー」というだけで
現場になんか来てくれないということだ。
そう、男であるということは、こんなささいなことさえも
全く気にしなくていいということなのだ。

そのおかげで、不穏なときにコールにでるのがわたしだと、
かえって看護婦に安心されるってのも
本末転倒で、なんだかおかしな話である。
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# by decoppati | 2004-12-17 17:19 | 女性のハンディ

看護婦さん.2

医師でも、いつも看護婦さんに依頼してやってもらうことは
大体自分でもできるようにしておくか、
どうやってやるのかを把握しておくほうがいいなあ、と考えて
レジデントの頃に心がけたことがある。

看護婦にも序列があり、病院にもよるが、
大抵は主任、婦長、あるいはベテランの看護婦が
手技的に優れていることが多い。
責任者に近い看護婦さんを手の空いているときに
つかまえて、なんでも質問して、やらせてもらって
すべて教えてもらった。
若いレジデントに教えを乞われて、いやがる上位の看護婦は居ない。
そうすると、なにか看護婦の手技がうまくできていないときに、
肩代わりしたり、的確な注意を与えられるようになる。
一言でいうと、「看護婦になめられなくなる」ってことだ。

年齢が若いだけに普通にしていても同年代の看護婦とは
すぐに意気投合しやすい。
しかし彼女たちと必要以上に馴れ合うことは危険である。
特にレジデントの頃は。
上司を批判している若い彼女たちのほうがひどかったり、
手抜きをしていたりするから、あまり同情しないほうがよい。

今は男性看護士も増えてきてはいるが、
それでも看護婦の世界は極端な「女の園」である。
彼女たち同士のなかでは、いろいろ陰険な策略があったり
悪口をいったり、いじめがあったりするわけで、
つかず離れず、いつも第三者的にフェアな視点に立っているのが
よいように思う。
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# by decoppati | 2004-12-17 17:02 | 脳外科の仕事

生ものをいただいたとき。当直室クッキング!

「伊勢海老&あわび」 大格闘料理 12月15日
山村氏のブログをみて思い出したことがある。
前に現金による謝礼について書いたが、
これがまた、生ものや品物をいただくこともある。
特に、海に近い病院にいたりすると、
患者に漁業関係者が多く、
伊勢海老、あわび、床節、さざえなどが箱一杯とか、
しゃこのゆでたのを沢山とか、干物をたんまり、とか
恭しく烏賊ソーメンを皿にのせたのを、
いただく羽目になることがある。

こんなときそれが当直でない日なら
家に持って帰って、人を招いてにぎやかに食べたり、
料理屋に持ち込んで好きな料理に作ってもらって
食べることもできる。
そういうときに限って当直が重なっていて家に帰れないことも多い。
医師の当直というのは、前にも書いたが、
勤務明けの休みというのがないので、
2連直、3連直となると、2泊3日あるいは3泊4日分
ずーっと病院の中に居て働き続けることを意味する。

そんなことして、家に帰る日を待っていると
生ものが悪くなってしまうので、工夫する。
1.涙をのんで、もらった日のうちに家に帰れる人にあげてしまう。
2.病院の中、特に医師の居るスペースにはもちろん料理器具などない。
  しかし、そこをなんとかして、無理やり調理して、食べてしまう。

山村氏のごとく、素敵に調理できれば食材も喜ぶだろうが、
背に腹は代えられず、病院の中で調理することも多かった。

やりかたは、いうに忍びないが、以下の要領である。

<当直室クッキング>
伊勢海老は動いているやつがくるので、
生食する場合には、包丁を食堂のおばちゃんから借りてきて、
うまく切れ目をいれてさばけば簡単に刺身ができる。
コツがあるので慣れればうまくできるようになる。
そうじゃなければ、動いているまま電子レンジに放り込んでチンする。
ほどなくして動かなくなって、赤くなるので、
マヨネーズでもしょうゆでもつけて食べる。それでもおいしい。

あわびは、まず塩を身にごしごしこすり付けて、身を締める。
殻から身と肝をはずす。
それにまず酒をふり、アルミフォイルにくるんで
トースターで10分ぐらい蒸す。
そしたら出して、表面に切れ目をちょっといれて
今度はガーリックパウダーをふって、バターを置いて、
しょうゆをちょっとたらして、アルミフォイルの上を開けたまま焼く。
あぶる程度でよい。
これでやわらかい、あわびのガーリックバター焼きが完成。
当直でも結構立派な御馳走ができるのだ!
ちなみにちょっと酒やバター、ガーリックパウダーを調達するために
下級生に10分ぐらい留守番しててもらったりするが。

さざえはふたを開け、中身をフォークで取り出して、
食べやすく、3-4切れに切って殻の中に戻す。
熱湯に本だしの素を溶かし、酒をちょっといれ、しょうゆをいれて、
汁を作り、これを殻の中に注いで、トースターで12分ぐらい焼く。
これでおいしいサザエつぼ焼きが完成。

床節は単にお皿に乗せてサランラップかけて、
電子レンジでチンすれば十分おいしい。
本当は塩水でゆでればいいのだが。

こんなことやってるうちに、病院の中でもその区画が
なんだか海の家みたいな潮の香り一杯になってしまい、
だいたいいろんな人に見つかってしまうことになる。
しかし、これまで誰にも叱られたことがない。

ある病院長(大学の教授である)に踏み込まれたときも、
呆れて笑っている彼に、できたての品を差し出したら
嬉しそうにもらってすたすた帰っていった。
食べ物の誘惑に勝てる人はなかなかいない。
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# by decoppati | 2004-12-16 14:37 | 脳外科の仕事

看護婦さん.1

大学の医局に属しているため、
関連病院や関係施設が多く、
これまで働いた病院は非常勤も含めると10箇所をゆうに超える。

脳外科の場合、病院に束縛される時間が非常に多いのが常であり、
どこに行っても、人間関係は良いに越したことがない。
本当に幸いなことに、人間関係という意味で、
これまで看護婦さんからイヤな目に遭わされたことがない。

しかし、最初の頃は興味深い体験が多かった。
どこの施設に行っても、脳外科で女の医者を見たことがないといわれ、
初日には、看護婦さん達が遠巻きにしらっとみているのだった。

そのうち1週間もしないうちに
彼女たちの方がみるみる変わってくる。
だんだん自分の周りに輪ができて、
みんなが親切にしてくれるようになる。
いろいろサポートしてくれるようになる。
よく彼女たちに言われるのは、
「先生には本当に頑張って欲しい。
 女でもできるってことを男たちに見せつけてやってください。」
ってことだ。いい意味で連帯感があるらしい。
嬉しいことだ。

それでも、ここで気をつけなければいけないのは、
プライベートで仲良くすることと、
仕事の時とは全く別だということだ。
それがお互いできてこそ、プロだ。
やはりお互いを本当に意味でリスペクトし、
公私混同せずに、言いたいことを言い合えるのがベストであり、
それが更にはいい仕事につながるのである。
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# by decoppati | 2004-12-16 02:25 | 脳外科の仕事

謝礼のいきつくところ

私立の大学病院などではどんなに固辞しても
患者さんから「謝礼」をいただくことがある。
大学病院ではそれが大それた額であることもある。

うちの医局は、共産主義的に扱うのでちょっと気が楽である。
どんなにそれが個人宛であろうが、
それをグループ毎に医局で預かるシステムである。
自己申告制だが、大抵ネコババすることはないと思う。
毎日のグループみんなの昼飯代や、グループでちょっと買いたい本や、
消耗品、その他、みんなでとる夕食代などに使うわけだ。
時に直接患者さんからお礼をもらうことのないスタッフ
(看護婦やコメディカル)の慰労の食事会などにも使う。
主には純粋に仕事に関することに使われる。
グループの中でも、お礼をいただくのが多い人、
少ない人が存在するが、すべて均一に恩恵を受けるわけである。

病院で過ごす時間が多いので、
そのお金が多ければそれはそれで欲しい教科書も手に入るし、
消耗品も買ってもらえるし、おいしい物も食べに行かれるしで、
いいこと尽くめである。

しかし、問題は各々のグループ長だ。
グループ長といわれるのは講師連中だが、
この人の考えひとつでこの金の使い道が微妙にゆがんでいく。

最低なのは、グループ内外で人を集めて、
風俗店や外人のおねえさんが付くバーなどに繰り出す場合。

患者さんが私宛名前でくださった大金が
なぜか私抜きでの馬鹿らしい遊びに消えていく。
せめて連れてってくれれば、文句はないが、
ケツの穴の小さな連中のこととて、
絶対に女の私を連れて行くことはしない。
行って、水商売の女を観たり、
痴れた遊びをする男性陣を観察してみるのも面白そうなのに。

そうして、残金が乏しくなって私にいいことなど何もなくなる。
馬鹿らしい。
こういうときは、いっそネコババすればよかったとさえ、
思うものだ。
基本的に、「謝礼」なんかなくていいのだけれど。
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# by decoppati | 2004-12-13 22:35 | 脳外科の仕事

メンス

看護婦さんたちが親しくなると必ず聞いてくるのが、
メンスについて。
そして、男の人が多分あまり知らないし、
思いもしないのが、またこのメンスなのだ。

大学病院での脳神経外科の手術は、
昔は10時間をゆうに超えることが多かったし、
レジデント1年目にも16時間レベルを3回以上経験した。
わたしは幸いにして生理痛を知らず、
また月経周期が非常に規則的なので助かっている。

しかし。
絶対に、絶対に、周りにメンスであることは知らせたくないし、
ましてや、何か不都合があっても、メンスのせいだとは
絶対に言いたくない。

悔しい思いをすることは多い。
手術のぎりぎり前にトイレにすっ飛んで言って
スーパータンポンに薄手のナプキンを装着。
終わったらまた、トイレにすっ飛んで行きたいわけだ。
手術着は大抵、薄いので。
たとえ6時間の手術だとしても。
まだ、専門医前の頃は陰険な上司に、
「手術終わってすぐに場を離れるとは何事だ」と怒鳴られたこともある。
しかしなにも言い訳などせずただ「申し訳ありません」と謝っておいた。
内心、
「馬鹿だな。メンスがあることさえ思い至らないなんて。
男は楽なくせに。」とつぶやいていた。

10時間以上の手術についたとき、メンスだったら、
レジデントの頃でも、術前にお腹壊したとか匂わしておいて、
「トイレに行ってきていいですかー」とだけ行って外にでる。
またはなにか病棟の仕事にかこつけてトイレに行く。
そしてまた手洗いをして、手術に戻る。

一般病院の脳神経外科では大体の手術が
4-5時間までの手術なので、なにも困ることはない。
また、自分が指導医になってからは、
自分のペースで事を運ぶことができるので
どうにでもなる。
よもや長い手術でも、助手も含めて
トイレ休憩をいれればいいのだ。

これまでずーっとそうやってやってきて、
幸いなことに同僚にメンスについて聞かれたことがない。
口が悪い上司は
「いつ生理になってるのかわからない。ほんとはないんじゃないか」
とまで言っていた。

そうやって、心の中で、
男の人が寝れない、食べれない、トイレに行かれない程度のことだけで
大騒ぎしているのを呆れて笑っている。

女だと、それに加えて、差別やメンスもあるんだから。
それでもへっちゃらで、元気に見せていくスタミナがあるぞー。
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# by decoppati | 2004-12-13 22:13 | 女性のハンディ

学生のときできないと思いつめていた事柄

学生のときには、きっとできないと思いつめても、
意外と医者になってみると平気になることがある。

朝起きること。
これは学生のとき、大の苦手であった。
しかし、仕事を始めてからは、
必要に迫られて自ずとできるようになった。
今でも早起きは苦手だが、
それでも学生のときのように寝坊していいわけがなく、
いやいやでもとりあえず起きて病院に行くことはできる。
当直明けでも朝から働くことなんか、
訓練でできるようになるものである。

何日も病院に泊まること。寝ないこと。
学生実習で、救急病院に1週間泊まって実習したとき
睡眠がとれないことがとても苦痛だった。
これがずっと続くなんてどうやってできるのかな、
と思っていた覚えがある。
これもやってみると、文句いえる立場でさえなく、
いきなり日常になってしまうので平気になる。
むしろ、仕事で寝ないのに慣れてしまうため
家に帰れるときには、妙に貪欲になって、
あれもこれもしたいことの限りを尽くすようになる。
楽しいことで寝不足なのは、全く苦にならない。
そうしなければ、
人生なにが楽しいのかわからないので仕方がない。
あと、外国に行っても全く時差ボケしなくなった。

食事が満足にできないこと
これにもある程度、慣れることができる。
しかし、はっきりいって、血糖が落ちてくると、
集中力がなくなり、気力もなくなり、いらいらしてくる。
そういうこともあろうかと、
ラクダのように食べられるとき食べるようになる。
ま、そう思って、なにもなかったりすると太るだけだが。
また、集中治療室の片隅にキャンディやキャラメル、チョコなどを
忍ばせて置いて、空腹の時に食べると効果絶大である。
へろへろになっていれば、
看護婦さんが食べ物を何かしら与えてもくれる。
悪びれずに御馳走になればよい。
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# by decoppati | 2004-12-08 00:46 | 脳外科の仕事

女性の女性不信.2

我ながら、女性に偏見持ってるなあ、と思ったことを2つ。

自分が脳神経外科に入ろうと思ったとき、
もし、患者だったらどう思うか考えた。
もし、命に関わる病状や、重い後遺症が残る重症の
患者の家族だったら。
病院に泡食ってかけつけて、説明にでてきた担当医が
若い女医だったらどう思うか。
そのとき、正直言って、自分だったら
「他に先生はいるんですか」「先生だけで手術するんですか」
とか聞いちゃいそうだなあ、と思った。
それが多分これから自分が受けるであろう、
仕打ちだとなかば諦めていた。

しかし現実には、世の中のひとが
それほどの偏見を持っていないことがわかった。
これまで10年以上この世界でやってきて、
(もう「若い女性」ではなくなってしまったが)
幸せなことに、そういうことを全く聞かれたことがない。
治療について説明した後、あたりまえのように
「先生、どうぞお願いします」といわれてきたことに感謝する。
自分のほうがよっぽど女性に不信感があるのかもしれない。

もう一つ。
病状を説明するときに、脳外科の特徴として、
患者自体の意識がよくないことが多いので、
患者の家族を相手に説明することがとても多い。
特に急を要する、生命や機能予後に関する
重要な話をしなければいけないとき、
女の人1人だけしか来なかったりすることがある。
そういうとき、つい尋ねてしまうことが、
「どなたが男の方は来ますか?」である。

経験上、往々にして女性はパニックに陥りやすく、
また、論理的な話を感情的にしか理解してくれない傾向があり、
どんなに説明してもなかなか実像を受け入れてくれないからである。
インテリジェンスに関係なく、男性の方がこういう話を
現実的にとらえるのが早い傾向があると感じる。
しかし、こういうことを聞く私自体、
自分の持つ女性への偏見をやっぱり持っているわけで、
ときに自分自身にうんざりしてしまうのである。
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# by decoppati | 2004-12-08 00:23 | 女性のハンディ

異動の引越

今は研修医システム自体が大幅に変更されたため、
最初の2年の過ごし方が全く変わってしまったが、
以前私の属する大学の医局では
専門医試験前の約6年間の間、
大体6ヶ月周期でブランチの病院を廻されていった。

ブランチというのは、大学の医局が
ある程度の規模の病院の脳神経外科を押さえていて、
そこに大学から人員をユニットで派遣する、
「支店」のようなものだ。
そんなわけで、専門医前に大体10病院近く勤務することになる。
各々の病院はいい具合で離れており、
異動先によっては引越を繰り返すことになる。

そしてその異動というのがまた傑作で、
たとえば6月1日から新しい病院に勤務する場合、
5月31日の夜までは前の病院に勤務して、
それが終わってから、遠くにある
次の病院の明日の勤務に向けて動くことになる。
脳外科の仕事は緊急が多く、
最後の最後まで手術に入ったりして
異動のために1日の休みをもらえることなど、なかった。

ときに異動前に緊急手術や当直がたてこんで
3日家に帰れなくなったりするので、
荷物の整理さえ、最終日の夜までできないこともある。

そこで、どうしたかというと、
①たかが6ヶ月の生活なのでまずは荷物自体を少なくする。
②異動が決まったら(これがまた2週間前のこともある)
 そこから休暇となる数少ない日にちびちび荷物の整理をして
 最終日前に異動先に連絡しておいて宅急便で送ってしまう。
③最後は車一台に積み込める分だけ残せばゆうゆう持っていける。
 意外と普通乗用車でも荷物は入る。
 後部座席も助手席も荷物でいっぱいになるが
 TVもビデオもコンピュータだって大丈夫。
④どうせ仕事で寝ないのには慣れているので、
 運転する体力を残せばどうにかなる。

いやはや、まあ、よくやったものだ。

今では研修中の人たちの「人権」が尊重されるようなった。
彼らには、最後半日以上、できれば1日、
異動のための休暇を与えるように心がけている。
異動の苦労を下級生に味あわせる必要はない。
残る人間が1日ぐらい、居ない人の分をカバーすることはわけないことだ。
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# by decoppati | 2004-12-05 01:24 | 脳外科の仕事

看護婦さんと間違えられても気にしない

田舎の病院などでは、面白いことに、
女性医師が見た目でまず、医者だと思われることが少ない。
大体、病棟にいると「看護婦さーん」と声をかけられる。

言った人がばつが悪い思いをしないように、
なにも言わずに、用事を聞いてみる。
簡単にできることなら、ちゃっ、とやる。
おしっこだ、うんちだ、食事介助、清拭などなら、
「もっと介助うまい人を呼んできますねー」
といって、看護婦に伝えるようにしている。

後で医者だと気づくと、こちらが恐縮するほど謝られることも多い。
患者さんや家族にそう見えないのだからしょうがない。
時間があれば間違えられたときぐらい、
看護婦さんの仕事の肩代わりをするのも面白い。
医師免があるかぎり、人にどんなふうにみえようが、
医者であることには変わりがないのだから、
憤慨する必要など全くないと思う。
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# by decoppati | 2004-12-04 00:54 | 脳外科の仕事

放射線技師に緊急検査を頼むとき

レジデントは患者の急変時に
どのぐらい役に立つかで違いがでてくる。
うまくいくと、かなりあてにされるようになる。
日中や時間外で予約や外来を押しのけて
検査を入れるのは、技師などにもよるが
ときに非常に苦労するものである。
昔からやってるコツのようなものがある。
異動しても異動してもいつも円滑に事が捗るから
こういうやり方はどこでも効くのだと思う。

緊急でCT,MRI, ANGIOを入れるとき、
① どんなに忙しくてもだるくても、
   放射線科の技師に直接頼みに行くようにする。
② 嘘でもいいから、技師がわかるように平易な言葉で
  「どうしてこの検査が今この患者に必要なのか」を
  簡潔にプレゼンテーションし、
  緊急でやりたい感を強くアピールする。
③ そして、検査をしてくれることに決まったら、
  どんなに他の仕事がたまっていて忙しくても、
  一瞬でもいいから検査室に顔をだして検査の様子をみにいく。
  どちらにせよ、コールがじゃんじゃん鳴るので、
  そしたら 「呼ばれちゃったので行きます。
  ありがとうございました。」といって去る。
  幸い、結果がでたところに居合わせたら、
  技師に結果についてコメントして、
  その検査が患者の容態把握に
  どんなに役に立ったかを付け加えておく。
④ こういうことを繰り返すうちに、顔を出しただけで、
  或いは電話で声を聞いただけで
  気持ちよく、なんでもすぐにいれてくれるようになる。

所詮は人間同士、結構頑固にみえる技師さんたちも
医療関係者であるわけだから、
患者のためには一肌もふた肌も脱いでくれるものだ。
コメディカルとうまく仕事をすることができると、
きつい仕事もだいぶ軽減する。
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# by decoppati | 2004-12-03 21:03 | 脳外科の仕事

学会の開催場所

別に医者に限ったことではないとは思う。
男性ばかりの職場っていうのは、
どこもこういうものなのかも知れない。

専門医のクレジットを貯める必要もあり、
発表の予定がなくても学会にはできるだけ参加し勉強するわけだが、

学会の開催場所が富山、盛岡、島根など
ひなびたところで、
特に風俗店街がないところだと
みなさまそろって、行きたがらない。

逆に人気は札幌、福岡、名古屋と言ったところか。
人間、本能にそこまで正直になれるかと呆れてしまう。
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# by decoppati | 2004-12-02 18:51 | 男性医師の生態

「女医会」なんて要らない

他の科にもあるのだろうか?
学会に付随して活動する「女医会」。
脳神経外科では日本脳神経外科女医会なるものがある。

全く存在意義がわからないので関わりたくなかったのだが、
私の入局の時に当時の医局長が勝手に入会届けを
だしてくれたため、定期的にお便りがくる。
集会には行かないようにしていたのだが、
教授や助教授のなかば命令で一回だけ参加したことがある。
グロテスクなほど、
女医会会長(学会のアイドル)のための個人礼讃の会であった。

学会総会と同時に会場内で催されるので
海外から招聘された教授や有名な国内の教授などの男性陣が
来賓としてスピーチし、歯の浮くような女性への賛美を話す。
ついでに会長との知己について長々と話す。
なんでそんなのに付き合わなきゃいけないのか全くわからない。

確かに医局には同性の先輩はいなかったが、
それでも手探りで自分の居場所は確保できた。
やりかたも自分なりに工夫してきたし、
困って人に相談したことなどない。

年上の女医さんが相談に乗るつもりなのだろうか?
男性に媚びるようなやり方でやってきた人たちの
真似はしたくないのであまり参考にならなそうだし。
立場は施設によってさまざまだし。

女性同士のみがことさら寄り集まるなんて不健全だ。
早く、そういうのが自然消滅して、
性別を意識せずに学会にいられるような健全な形になって欲しい。
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# by decoppati | 2004-12-02 15:26 | 女性にもいろいろ

完全なる男社会

入局して一番気をつけたのは、「完全なる男社会」に
なるべく波紋をおこさないこと。

いままでと同じように、下ネタ話も、愛人自慢、絶倫話も、誇大妄想話も
みなさんがこころおきなくできるように、聞こえても聞こえないふり。
関係ない限り、見えない、聞こえない、発言しない。
実害あるわけでないので、抗議もしない。
ストレスの多い職場、毎日3食をともにするような環境のなか、
みんな家族団欒のように過ごすのだから、
実際に身に危険が及ばない限り、
誰が何を言っても構わない。

大体どこかに裸のピンナップや
プレイボーイのカレンダーなんか貼っちゃってたりしてるが
別にどうでもいい。

こちらに下ネタ振られることはよくある。
「どこでやるのが好き?」「どんなパンツはいてるの?」
「車のなかでやったことある?」などなど。(下品で恐縮だ。)
答えずに「先生は?」と返すだけ。
ほんとのことなんか教えない。
なにか答えたら大変なことになるからいわないほうが身のため。
いわなくても、勝手にストーリーが構築されていく。
そしてそれが一人歩きして、
壮大な妄想になってそこらじゅうに飛んでいく。
ほんとじゃないだけずっとまし。
それに、10数年前でさえ、口を割らないからといって、
真面目に怒られたり仕事に不利になることはなかった。
尊厳までは誰にも奪わせない。

お世辞にも3の線がいいとこ同士で
「先生やりますなあ」
「先生こそもてますなあ」とか
言い合っちゃってても、抗議しないし、馬鹿にもしない。
そりゃ、学生のときは大いに突っ込みをいれたものだが、
ここは我慢。

いわせてやろうじゃないか、かき乱さないで居てあげよう、
この男性にとって超平穏な「男社会」を。
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# by decoppati | 2004-11-29 21:15 | 男性医師の生態

自然に、無理せず。

neikoさんがコメントされたように
痛々しいくらい女性扱いを拒絶したり、男言葉や下品な会話をして対等になろうとする先輩、こちらが恥ずかしいくらい女性である事を過剰にアピールしてしまう先輩...

ほんと。
なりたくない、ならないように気をつけたい例は周囲にごまんとある。

男性の同級、後輩を無理に呼び捨てしたり、
看護婦に頭ごなしに命令する女性。
上司を喜ばせるために頼まれもしないのに
下ネタを場所をわきまえず繰り出す女性。
かと思うと、上司や教授やえらいおじさんには
女全開でごろごろのどを鳴らして近づく女性。
膝の上に乗ってる女医さんをみたときには呆気にとられた。
上司や先輩にあだ名で呼びかけ、ため口をきく女性。
特別扱いを受けるのを当然だと感じる女性。

自分が女性だから許される立場でいないかどうか、
いつも気をつけないとわからなくなってしまう。

性差はあるがままでいいと思う。
別に女性が男ぶる必要はないし、(レズの男役ならともかく)
男社会に意に反して理解を示す必要もなし、
また、逆にカマトトぶる必要もない。
一般的に女性のほうが体格が小さく、非力であるのは事実だし、
男性のほうが一般的に情緒に欠けるのも事実。
もちろん一般規格からはずれる人もお互いにいる。

あるがまま、なるがまま、
仕事に関しては性別関係なく
人間同士としておおらかにいきたいものだ。
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# by decoppati | 2004-11-29 20:50 | 女性にもいろいろ

裏方さん

男性ばかりの科のため、愛想がいいだけでも、
いやがおうでも、誰にでも覚えられやすい。
レジデントなど若いときならなおさらだ。(病院に居る時間が異常に長い)

警備員、電話の交換手、掃除のおばさん、食堂のおじさん、おばさん、
配膳のおばさんなどなど、
病院の裏方というべき存在の人々でさえも、注目している。

世の中捨てた物じゃないと思ったのは、
一所懸命やってる姿は意外な人が知っているということ。

都会の大学病院にもかかわらず
掃除のおばさんがロッカーの上に
共用の女性用の白衣のきれいなのをいつもいつも置いておいてくれたり、
配膳のおばさんが食事待ちの検査のあと、
要らないといわれた特別室の食事を
私の名前を書いたラップをしてとっておいてくれたり、
警備員が帰りの足がないことを心配して車を呼んでくれたり、
わたしのレジデント生活に何筋もの光を与えてくれた人々は多い。

こういう小さなことが、寝るのにも食べるのにもこと欠く生活では
とても大きな力になるのだ。
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# by decoppati | 2004-11-29 20:27 | 脳外科の仕事

当直室

医師の重要な仕事のひとつとして当直がある。
朝から働いたうえに、夕方から病院で泊まって、
夜中や明け方になにかあるのに備えており、
外来を診たり、処置、手術などの治療をする。
もちろん翌日も朝から通常通り働く。

レジデントのときはこれを月に20日以上する。
丁稚なので上の医師にくっついてなんでも観て、
教えてもらって、覚えるわけだ。
こういうこと自体は、
上の人が誰でも通った道なので別になんとも思わなかった。

しかし、唯一そして最悪の苦難は寝場所の確保だった。

女性の先輩がいないため、わたしの医局には女性の当直室がなかった。
入局のときに、教授のほうから当直室を作っておくから、と誘ったのだが。
男性医師用には何人かが寝られる大部屋があった。
先輩から、院内でなにか過ち(!)があると困るので
絶対にそこでは寝ないようにと厳命された。

寝られるのは、廊下に置いたストレッチャー、
処置に使う診療室の硬いベッド、
運がよければ女医さんの多い麻酔科2人部屋の空いてるベッドに
もぐりこむことができたが、麻酔科の女医さんには嫌がられた。
夜中でも明け方でもポケットベルが頻繁に鳴るからうるさい、といわれた。
現場に行くのはわたしなのに。

ベッドで寝ている同じ科の同級生がうらやましかった。
レジデントの仕事は多いので、
文句をいう連中が多かったが、
それでも、ベッドで寝られるなんて幸せだと思った。
口に出すのは悔しかったので、黙ってた。

その後、2年目になって自分で麻酔科の教授に直談判して
トップダウンでベッドを確保した。
今に来る後輩に同じ思いをして欲しくなかった。
ただでさえ、疲れるんだからちょっとでも楽をしよう。
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# by decoppati | 2004-11-29 20:09 | 女性のハンディ

女性の女性不信.1

学生の時、人体の解剖実習の前に一悶着あったのは面白かった。

ご遺体の解剖実習は、ほぼ毎日、午後一杯、
数ヶ月にわたって続く長期の実習である。
体は大体左右対称で1対ずつ臓器があることが多いため、
左右に分かれて2人ずつ、一体で計4人の学生が
組になって行われることになっていた。

長期にわたって非常に貴重な解剖をするため、
息のあった人と組むのが好ましいとされ、
出席番号順ではなく、学生の希望で組を決めることになった。

クラスの女子たちのそのときの混乱ぶりに驚いた。
いつもは異常なほど女子だけで徒党をくんでいる女子たちが、
仲のいい女子同士組むことをせず、
各々、一目散にいろんな男子に近づいて、
解剖のペアを一緒に組もう、と懇願しまわっていたのだ。
解剖の実習は要領のいい人がいないと、
連日夜遅くまでかかってしまうという恐怖感からだったらしい。

面白いことにわたしは逆に男子からスカウトされた。
違うクラスの男子だったが、
どこからか私のこれまでの実習での実績を聞き及んでいて
男女など全く気にせず、
なにより要領よく実習をこなす相棒と目して頼んできた。
それは結果として、お互い、いい選択だった。
その後、半年近く、私たちは、なによりクラスで一番
きれいで要領のよい解剖を行うことができた。
空いた時間でアトラスと照らし合わせて勉強する暇もつくった。

男子もいろいろいるから、たとえ女子を避けても、
その男子が優れているとは限らない。
女性同士にも、一般的な能力に関して、
根強い女性不信があるのは残念なことである。
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# by decoppati | 2004-11-29 19:41 | 女性のハンディ

女性の入局

最近では、脳神経外科にも段々女性が増えてきて、
今ではどこの大学でも女性を採用しているように思う。

私の入局する頃は、
まだ女性を入れていない大学が多かった。
私のところもそうだった。

すでに他の大学では10年ほど上の女性が数人活躍していた。
世代が違うのでなんともいえないが、
ちょっと我々の世代とは違った感じで、
今でも違和感がある。
学会ではおっさんたちのなかで、
帽子までかぶって着飾ってひらひらしていて驚いた。
おっさんに囲まれてアイドルみたいになってた。
普通にスーツ着て、落ち着いて居ちゃいけないのか。
ただでさえ、女性だというだけで目立つのに。

私のところでは、
医局の上層部が
どうやら他大学にいたそのアイドル女医さんに憧れたり、
アメリカ人教授の「女医さんはいますか?」
という問いに答えるべく、
なぜか唐突に私の代から女性の採用の門戸が開いた。

どういう経過でも、
とりあえず入局できることに決まったのだった。
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# by decoppati | 2004-11-27 01:33 | 脳外科の仕事

「食堂に弁当を持っていくようなもの」とは。

医局から命じられて、
遠くの赴任先に6ヶ月から1年行くことがある。
この際に、嫁さんや彼女を伴っていくことを、
同僚たちは
「食堂に弁当を持っていくようなもの」だと評する。

そのこころは、
赴任先の病院では、看護婦や事務員、若い病院医療作業員を相手に、
男性医師が入れ食い状態でしたい放題だから。
遠方の赴任先では、むしろ結婚してる方がもてる。
お互いに後腐れがないからだ。

そのためには、嫁や彼女は本拠地に置いておいて
単身赴任するのに限るらしい。
そうやって寂しそうな顔を作って家を出て、
笑顔で竜宮城に向かうのだ。
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# by decoppati | 2004-11-27 01:12 | 男性医師の生態

なぜ脳神経外科に惹きつけられたのか

勧誘の件はともかく、
学生の時に脳神経外科に惹きつけられたのには理由がある。

脳や神経、その機能に興味があった。

救急医療の要素が多分にある。

③気性からいって、
 起承転結のはっきりしている外科系に向いてそうだった。

④外科系のなかで考えてみると、
 同じ患者を発症から治療まで一貫して診られる外科
 面白そうだった。

 胸部外科は直接かかる患者より、循環器内科や呼吸器内科からの
 紹介が圧倒的に多いように思った。
 一般外科も、消化器内科や一般内科からの
 紹介患者を手術する印象が強かった。
 乳癌などもちろん例外もあるが。
 いずれも検査などひとしきり終わって、
 大体の疾患の目星がついていて、
 治療のために外科に廻されてきてるような印象があった。

 初診の患者に必要な検査を選び、
 結果を吟味し、精査を加えて自分で診断して、
 治療を選択して、外科的治療が必要であれば手術し、
 術後管理をし、退院まで面倒を見るタイプの外科。
 他に小児外科、整形外科、耳鼻科、産婦人科、眼科、
 泌尿器科などが挙げられる。

 そのなかでマイナー系にはあまり興味はなかったし、
 上の①②を併せ持つのは脳神経外科しかなかった。

この仕事をして早いものでもうゆうに10年を超える。
すでに専門医になって数年経ち、博士号ももらった。
今でもこの自分の選択は正しかったと思う。
今でも脳神経外科に興味は尽きない。
(なのに、ちょっと勉強をさぼりがちである。反省。)
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# by decoppati | 2004-11-27 00:24 | 脳外科の仕事

女性が「血をみるとくらくらする」?

bz_raigaさんからコメントいただいたので思い出しました。
あるドキュメンタリーで本当に血を見ると気絶もしくは
クラクラするという女性がそれでも立派な医師になりたいから、と懸命にそのコンプレックスと向き合っていく、というのをテレビで観たことがありましたが、


そうなんです。いましたよ、そういう女性たち。

「血をみるとくらくらする」って
よく学生のときに男子にアピールする女性いましたが、
女性では通常ありえませんって!

だって小学生か中学生の頃から毎月血をみてきたんじゃありませんか。
それも相当の量の。
慣れているはずです。

むしろ、男性のほうにこそ、本物の血液恐怖症がいます。
普通の生活してたら、擦り傷程度の血しか見たことありませんからね。
仕方がないことです。

いつも思うのですが、こういうタイプの女性たちって
男性のいる場ではアピールしますが、
これが全く女性だけだったら、まず、しないのではないのでしょうか。
ちなみに、女子医大などでは教えるほうに男性が多いので
やっぱりアピールするそうです。

あーあ。
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# by decoppati | 2004-11-26 18:16 | 女性にもいろいろ

医局勧誘

医学部の高学年になると病棟実習で各科を廻るのだが、
その際、ほのかに、あるいは強引に
医局への勧誘合戦が行われる。

だいたいどこでも勧誘は男女ともに行われる。

脳神経外科を廻ったとき、
指導医が私たち学生に、
「おいしい物食べに連れてってやろう。脳外科のこと教えてあげるよ。」
といった。
どこでも入る入らないは別にして勧誘であっても
金のない学生にとって先輩の御馳走は嬉しい物である。

しかし。
いつものように
男子の同級生たちと一緒に行こうとしていた私に、
彼は冷たく、「今まで女は入局させてないから、来る必要ないよ。」
のたまわった。

初めて脳神経外科の特殊な男性優位社会を思い知った瞬間だった。
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# by decoppati | 2004-11-26 12:55 | 脳外科の仕事

大学入試

女性は医学部を卒業しても
フルタイムで働いて、
大学に症例や業績を還元することが
少ないと思われていて、
昔の私立大学の一部では選考に制限があった。
国公立では男女比が1:0.8ぐらいになってるときに
1:0.2切ってたし、
男子では補欠合格だったといってる人が多かったのに、
女子で補欠は皆無だったから明らかだった。

その後、医師過剰時代について叫ばれるようになって
むしろ、フルタイムで働かない可能性がある女性を
増やすことでメリットがでてきた。
また女性の国家試験の合格率が非常にいいというのも
大学運営には大きなメリットだと考え直されるようになった。
今はある程度、普通に選考しているようだ。

医師免許とってフルタイムで働かない男性はあまり聞かない。
面白いことに昔からいわれていることは本当で、
現に私の同級生のうち1/3の女性はフルタイムでは働いていない。
医師過剰時代に向けてやはりいい具合にフェイドアウトする群なのである。
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# by decoppati | 2004-11-26 12:48 | 女性のハンディ