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子供の受診を希望する大人

特に子供の場合、
病院にかかるかどうかは本人ではなく、
周りの大人たちの裁量によるわけだが、
こと頭となると、
ちょっとうったとかちょっと切ったというだけであっても
大人の心配が募るようで
とにかく脳神経外科外来には子供がよく連れてこられる。

連れてくる大人の心配も重々承知しているので
来院すれば診察や消毒、縫合などの処置、
必要があれば検査などを施す。
傷などはたいてい、
これが膝なら病院には来ないだろうと断定できるほど、
ささやかなものだったりする。
むしろ親に安心を与えることが主体となる。

連れてくるのは、
両親、祖父母、子供の友人の親、幼稚園・学校の先生などだが、
往々にして親が不在のときに起きた頭部外傷で
預かっていた人が連れてくることが多い。
この数年でほんの1mmの傷でも
若い親が慌てふためいて連れてくることが本当に多くなった。
頭をうったわけでなく、
ちょっと擦ってかすり傷をほんの少し負っただけでも
救急車でくるなんていうのも珍しくない。

ひどいのは、元気いっぱいニコニコしてる子供をつれて
目を離したすきに転倒したのでどこも痛がってはいないが
頭を打ってるかもしれないので救急車を呼んで、
「打ったかどうかみて欲しい」という母、案外多い。
頭部外傷の事実が明確でないうえ、
打ったことを示唆する症候(腫れ、発赤、傷など)や
症状(頭痛、嘔気、嘔吐など)が全くないなら
診察を必要としないことは明らかである。

以前なら近くに相談できる子育て経験者がいて安心できたものを
核家族化と近所付き合いの希薄化のためか
孤立した夫婦が客観性を失って病院にやってくるように思う。
なによりも小児の医療費が無料となっている自治体では
なんでもかんでも容易に受診する傾向がある。
母親同士の情報交換で
タダなんだから使わなきゃ損という気風が見受けられる。
また、小児だというだけで、
診察の順番を早くしてくれて当然といった
誤った特権感情があり、
全く状況を勘案せずにクレームをつけてくる親が多い。

一方で脳内出血になってる老人を
家族が一般車で一生懸命連れてくる。
「救急車をやたらめったら呼んじゃ申し訳ないと思って」
という人ほど、本当は救急車で来ていただきたい人だ。

日本人が元来持っていた他人への配慮、
社会秩序の尊重などの美徳は
このまま失われてしまうのだろうか。
# by decoppati | 2007-09-09 05:18 | 脳外科の仕事

当直のときの過ごしかた

当直のときの忙しさは病院によって大幅に異なる。
脳外科のない病院の場合、
当直帯に患者に相談に来るように
宣伝しているところもあって忙しいこともあるが、
施設がないため手術ができないためおおむね平穏である。
三次救急や二次でも周囲に他の病院がないところは
いわずもがなで、いつなんどきなにがくるかわからない。
外来がコンスタントに来て、挙句、
重症が重なったり手術したりして一睡もできないことも多い。

救急車が来るのを事前に医師に知らせない病院もあり、
その場合、トイレにいたり、御飯を食べてて
突然、呼吸停止した人がきてまーす、
とかいわれて慌ててダッシュすることさえある。

看護師さんと違って医師の当直は院内待機であり勤務帯ではない。
大体、朝から働いてそのまま夜当直をして
さらに朝から普通に働いてその日がまた当直じゃなければ夕方帰る。
というわけで、その待機の間、仕事以外のことをしていても許される。
ただし軟禁状態なのでスペースは限られている。

それでも一般的なのは、仕事の残りを片付けること。
論文を書いたり、勉強をしたりするのが正しい過ごし方かもしれないが、
途中でバンバン呼ばれる施設では集中できず効率が悪い。
というわけで、他の過ごし方といえば、
DVD鑑賞、インターネット、TV鑑賞、読書などが多いか。
ただ寝るっていうのも正しいと思う。

昔、レジデントの頃、外勤で行っていた当直先は
まさに突然重症患者が運ばれてくるところだった。
まとまって勉強できるところではなかったので
サックスの練習にいそしんでみた。
当直室が病棟と階が違って離れていたし、
浅知恵で防火扉を閉めたりして防音したつもりだった。
かくして、一階にある救急外来に呼ばれていくと、
患者が看護師に「ラッパが聞こえるねー」と話していたり
看護師に「今まで音楽が聞こえたんだけど止まっちゃいましたね」と
いわれたりして気がついた。実はまる聞こえだということ。
しかし自分だとは気付かれていないという不思議さ。
誰も憤っていなかったのはいい時代だった。

その後、反省して当直ではブルースハープに転向。
サックスよりずっと音が小さく、
白衣のポケットに入ってしまう携帯性のよさ。
さらに減煙にもなるなどいいとこばかり。

その他、最近ではDVDとともにヨガをやることもある。
普通の日にやろうとしてもなかなか時間を作らないので
定期的に当直のときにやるのはよかった。
ただし、年のせいか運動不足か、
突如コールがきても尋常じゃなく息が切れてたりするのが
人からみてかなり変だと思う。
今流行のBoot Campなんかやったら
もっと息がきれて、汗かいて、顔が上気したりして
さぞや様子がおかしいだろう、患者からみたら。
まだ着手する気にならないが。

大体の場合、終わってみると
こんなことしてた後に忙しくなって、
あんなことせずに寝ときゃよかった、と思うこともしばしば。
すでにこんな生活を十何年やってても学習効果なし。

というわけで若干人目を気にしながら、
軟禁生活の充実を図っていくのである。
# by decoppati | 2007-08-12 22:32 | 脳外科の仕事

今の研修制度をのりきるには

3年前から初期臨床研修医(レジデント)制度が大改革されて、
大学をでて国家試験に受かった後も、
いろいろな科を廻って研修しなければいけなくなって、
現場でのレジデントの存在意義が大きく変わってしまった。
以前はスーパーローテーション希望の例外を除いて、
大学卒業時に自分の進みたい科を決めて
その科かその科指定の基礎研修に入るのが通例だったため
1年もすればその科のことはだいぶ仕切れるようになったものだ。

今は1-3ヶ月程度でぐるぐる科を廻るので
レジデントがとりわけ得意な分野を作ることが難しい。
昔のように仕込めば仕込むほど、
自分たちの仕事が楽になるものではないことから
先輩医師が本気になって教えてくれることも少ないのだという。
その代わりいろいろな疾患を直に学ぶことができたり
いろいろ経験できるところが利点とされている。
実質、どこの科でもお客様のように扱われているようにも見える。
だからぐうたらな研修医など手を抜いてさぼっていても
真面目に怒ってくれる人もおらず、ぼーっと研修を終えることもできる。
その結果、どうなっていくのか、考えると空恐ろしい。

ただ本来はやはりやる気に満ちた研修医のほうがずっと多いわけで、
彼らが先輩医師からチャンスをもらえないといって
焦っているのをみると胸が痛い。

そんなときちょっとしたアドバイスをすることがある。
① 以前と違って同じ病院とはいえ頻繁に環境が変わるので、
   研修医のことを誰も認識できないことが多い。
   誰とは知らない人がぼーっと立っていても声を掛ける気が起きない。
   知らない職員にもはっきりと挨拶をする癖をつけると
   かなり印象がアップする。
   研修医〇年目のダレダレと名乗るのがキーポイント。

② 沢山研修をしたいのであれば、とにかく足で拾うこと。
   他の医師がしていることを見に行く、
   なにか処置や手術があれば見に行く、
   自分の廻っている科以外でも
   珍しい処置や手術があればちゃんと話を通した上で見学する、
   なにもなくても病棟で仕事をみつけてしていれば
   なにか起きることもある。
   熱心に見にくる人にはいろいろ経験させてあげたくなるものである。
   暇なときは救急外来あたりをぶらぶらしてみると
   なにかしら研修のネタが拾える。

③ 研修医の間は医師になったばかりで気負いすぎていることがある。
   看護師からの依頼などを安請け合いするのは厳禁。
   自分だけの考えでは危険を招く。
   任されている以外のことは必ず指導医に声をかけること。
   独りよがりな研修医にはチャンスはなかなかめぐってこない。

④ 自分の進みたい科が決まっている場合、
   その科以外を疎ましく感じてやる気を失う人もいるが、
   どの科でもその科となにかしらの関連をもった領域があるはず。
   そこのところを突き詰めてみるときっと将来ためになる。
   たとえば、脳外科に入りたい人。
   内科、外科、放射線科、麻酔科研修はいうに及ばず。
   小児科では小児の管理や大泉門からのエコー操作を学んだり、
   産婦人科でテンカンや脳疾患をもつ妊婦の管理や
   妊婦への投与禁止薬物など。
   とにかくこの制度となっているからには、
   どうにかして無駄のないように過ごして欲しい。

⑤ 手技的なことを学びたい場合、
   基本である縫合や、糸結び、糸縛りなどは
   どこでもシュミレーションできるのだから
   本番に備えて練習しておくといい。
   本番でうまくできれば次もよんでもらえるが、
   基礎的なことを怠るひとはただの足手まといであり、
   次のチャンスはなかなか廻ってこない。

なんだかんだ2年の研修が終わってみれば
医師としてだいぶ力がついてくるわけでむやみに焦る必要はない。
問題の多い制度とはいえ仕方がない。
どうにか有意義に乗り越えていただきたいと思う。
# by decoppati | 2007-08-12 21:34 | 脳外科の仕事

タバコとお菓子

これはどこの世界でも共通の話題だと思う。

大人数で働いてる職場、
そして共同作業を強いられる職種では
小さなことでもそれが連帯感につながることがある。

その一つが「タバコ」。
このご時世、特に病院では
院内はもちろん敷地内でも禁煙が当たり前となった。
しかし医療関係者の喫煙率は実は高い。
以前は診察室内でタバコすいながら診療してた医者もいた。
看護師も技師もよくタバコを吸う。
少なくとも食堂や医局、研究室などではパカパカ吸ってOKだった。
10年前ぐらいから段々吸える場所が限られてきて、
喫煙所なるものが出現した。
(しつこいようだが病院の場合はバルコニーなども禁止で、
病院の建物からでた外のみOK)
会社でも事情は同じだろう。

スモーカーというのは大抵、
仕事の節目節目にタバコを吸いたくなる性質をもつ。
以前と違って、遠征せざるを得ないため仲間が欲しくなるようで
スモーカー同士誘い合わせたりしてそそくさと喫煙所に向かう。
よもや一人で向かったとて、その場には先客がいる。
かくして「喫煙所仲間」ともいうべき
奇妙な人脈が連なるチャンスが生まれる。
ノンスモーカーだと知り合いになれない
他部署の人たちと知己を得るのである。

また一日のうち何回も同じメンツでそこで話をしてるため
情報がそこだけに限局されることが多く、
同じ部署のノンスモーカーだけが大事な決定事項を知らなかったりする。
これを嫌ってノンスモーカーでもわざわざ喫煙所に行って、
話に参加するものまで現れている。

「喫煙村八」とでもいおうか。
禁煙して面食らうのはこれだ。
ただ、わざわざ副流煙を吸いにいくこともないし、
用もないのにお愛想尽くしに行くなんて馬鹿馬鹿しい。
情報が遮断されてしまってるのを
なにか他のやり方でキャッチアップする必要がある。
これはスモーカー側に思い遣りの心が芽生えるか、
同じ部署でノンスモーカーの比率が増えない限り、変わらないだろう。


小さな連帯感の象徴として
もう一つとして上げたいのは「お菓子」。
これは主に女の世界の話かなあ。
病棟で仕事してると、
良かれと思って看護師さんが飴をくれたり、
休憩所に誘われてくずもちとかまんじゅうとかせんべいとか
とにかくいろんなお菓子を勧めてくれるのだが、
これがまた断りにくいこと。
甘い物あんまり食べないから、とかいえるような雰囲気じゃないのだ。
というのも、あまりに好意的に、わざわざ分けてくれてるので
無下にするとたたりが怖いというか、波風が立ちそうと言うか。
こんなことで折角、仲間にいれてくれてる厚意を無にすることもない。
かくして、ダイエットしてようが、好きじゃないものだろうが、
くれちゃったらその場は笑顔で受け取って、
後で食べるとかいって持ち去り、
欲しがる後輩などにお裾分けする。
男性医師は意外と甘いもの好きなのに
直接もらえないことが多いから喜ぶし。

まあ、予防としてはなにげなく、
甘い物はあまりたべないとか、
ダイエット中とあらかじめ公言しておくのがよさそうだが、
それがまた看護師様たちの勧め心に火をつけてしまって
むしろ逆効果となることもあり、注意が必要である。
(甘い物食べないっていってたけどこれはおいしいって、とか
 ダイエットなんか許さないっ、とか。)
# by decoppati | 2006-08-29 00:02 | 脳外科の仕事

どこからが問題?

看護師さんたちをみていると、
自分の体を患者に密着して看護行為を行う必要があることが多い。
入浴や体位交換、着替え、車椅子へのトランスファーなど。
患者さんの手を自分の首にかけて抱きかかえることは当たり前。
しかも彼女達は職務に忠実に笑顔でそれらを行うわけで
本当に頭が下がる。

わが国の習慣として、
一般の生活で赤の他人に体を触られることはないわけで
わたしはといえば、そういうのが苦手なのである。
中年以上の女性でよくみうけられる現象で
自分の症状を説明するのに自分の体で指差さず、
突然、わたしの体のいろんな部分を触って説明しようとするのだが、
これでさえ本当に気持ち悪い。

こういう場合、
自意識過剰になってはいけない、と
己を諫めなければいけないような気風が医療現場にはある。
が、反面、こういうときに乳房を揉んできたり、
必要以上に積極的に密着してきて、
明らかに恍惚となっている男性患者も当然少なくないわけで、
やはり、こういう下品な攻撃には極力会いたくない。
巷では路上で胸揉んだり、
服の上からでも股間や太もも触ったりすれば
軽犯罪になるようなのに、病院のなかはなぜか治外法権に近い。
「外交官特権」ならぬ
「患者特権」があるかのように感じることが本当は多い。

はっきりしておきたいが、
病による意識障害や精神障害、症状のためにこうなる人は別である。
彼らは病気であって、真面目に憤る対象ではない。
ただ、問題なのは、病との直接の因果関係なく
「患者特権」を振りかざす恥知らずな人たちなのだ。

品のない下ネタ関係の質問や
陰部の露出攻撃など、
巷でセクハラといわれるような例を挙げたらきりがない。
これらに憤ることなく、
笑顔のままやんわりとやり過ごすものだというのが
気味の悪いことに病院内の不文律なのである。
看護師や医師を含めた女性スタッフは風俗嬢ではないし、
そんなあしらいスキルは覚える必要すらない、と思う。

病院はなぜ、サービス料をもらっているわけでないのに、
それほどまでにサービスに徹しなければいけないのか。
嫌な思いをするのは病院上層部ではなく、
直接の被害者から上層部へはその深刻さが伝わりにくい。
病院の中でこの問題にきちんと携わる部署を作って、
明らかに問題のある患者に対して常に毅然と対応し
あくまで患者が変な行為を中止しない場合は
診療を拒否する必要があると思う。

最近は「ドクハラ」というのが声高に叫ばれていて、
いろんな事例が紹介されているのをときに目にする。
酷い例もいろいろあるのだろうが、小さなことでも
がんがん告発できるし警察関与にして調べてもらえるようである。

一方の医療関係者側、
どこの病院でもどこの部署でも、毎日相当のセクハラを受けてる。
男性スタッフに対してだって、
気味の悪いことをいってくる女性患者もいる。
ストーカー患者に悩まされてる男性医師も決して少なくない。
よっぽど強姦未遂、殺人未遂ぐらいまでいかない限りは
じっと我慢の子で耐え忍ばざるを得ないというのは
誰も察してくれないが事実なのである。
# by decoppati | 2006-07-10 00:49 | 女性のハンディ

病院の中でのファッション

近頃は女医さんも爆発的に増えており、
何の科にも女性はいる。
したがってひとつの病院の中でもいろいろなタイプの女医がいる。
その仕事中のファッションもさまざま。

髪の毛ひとつとっても、ヒッツメにしてぎゅっと縛ってしまうひと、
短めにしてさっぱりしているひと、
長い髪の毛をそのままさげてるひと、
さらにそれを立て巻きロールしてる
マンガの中のお嬢様みたいなひともいる。
なかなか不衛生であるうえ、
なにかするのにいちいち髪の毛が邪魔だろうにと、
かなり不思議な光景でもある。
かくいうわたしはしばしばドレッドにしてた。
違う意味でまとまってるのはいうまでもないが、
見た目には汚いと見えたかもしれん。
蛇足ながら患者や上司からの苦情はなく、
かえって特に患者のおばちゃん連中に好評だった。

白衣の着方。
長い白衣を私服の上に来ている人は最近は少数派かも。
男性と違って汚れるのがいやだからか前を開けてる人はまずいない。
この場合、私服は汚れてもいいカジュアルなものとなる。
最近多いのは、病院に来てから病院用の服に着替えるパターンで、
各々各自の好みで用意している様子。
白の短い上衣(よくケーシーと呼ぶやつ)、
下は綿の黒や白のパンツなど。
医療用のワンピースを好んで着る人もいる。
これならリキのはいった格好で通勤することもできるし、
汚れることもないわけである。
最近は看護師がキャップかぶらないし
他のコメディカルもパンツルックが多いから職種の見分けはつきにくい。
患者さんからみれば女の医療関係者は全部「看護婦さん」ともなる。

化粧やアクセサリーに至っては千差万別である。
ばっちりメイクで大きなアクセサリーつけてる人、意外とみかける。
女性の多い科に多い印象あり。
とっさに呼ばれる頻度の多い科の人たちはすっぴんに近いことが多いが、
ちゃんといつなんどきも力入れてメイクしてる人だっていなくもない。

ピアスやリングは手術のある科では失くす可能性が高いので
工夫が必要である。
(とっさにネックレスにリング通しておくと失くさない、
 ってそのためにネックレスもしてないと。
 着替が頻繁に要求され後ろを振り帰ってる暇もない場合、
 仕事のときはピアスのキャッチはとばないようなきついやつをするか、
 一体型になってて留め金で留める円形のタイプにしとく。)

靴もいろいろ。
普通おしゃれしてきた靴は院内では履き替えてしまう。
看護師と全く同じかっこ悪いサンダルをはいている人も多い。
最近は感染からの防御もあり、前が隠れているものに移行してきており、
通気のいいふつうのズックみたいのが推奨されている。
昔ほどミュールやハイヒールでカツカツいって歩く人、みかけなくなった。
個人的にはサボがいいんじゃないかと思うが
いまひとつこれといういいのがみつからない。

ま、男性と違って女性の場合、
この日本社会では
どんなときにも綺麗でいることを強要される土壌があると思う。
これにきちんと適応するひと、逸脱するひと、いて当然。
科によってはおちおちトイレにさえゆっくりいられないわけで、
多少のことは大目にみてほしい。
それだとしてもしばしばみかける
男性医師のようにホームレス臭がする女は見たことないから、
「こぎれい」にはしてること間違いない。
# by decoppati | 2006-06-21 18:00 | 女性にもいろいろ

同級生≠医局の同期

職業訓練校である医学部を卒業すると
大学の同級生はほとんどすべて医師としての同期となる。
みんな散り散りに研修したい場所へと散っていくので
仕事をし始めてからは
間近に大学の同級生がそうそういるわけではない。
卒業した大学病院に残った場合とて、
仲がよかった友人たちに限って外に武者修行にでてしまい、
同級で残っているのは
6年もの学生生活を通して興味が湧かず、
話をしたくなかったような連中だけだったりもする。
そしてよりによってそういう連中と医局の同期として
長きにわたって付き合っていかなければならなくもなる。

性格に難があり大学のときには同級の中で孤立していたような人。
医局に入って、過剰に先輩に擦り寄ることで居場所を確保できたりする。
外科系ではパシリができれば性格がどうであれ上等兵である。
またこういうタイプに限って、
先輩が聞きたいだろうことを話を作ってでも吹き込むもので、
こういう同期がいると最初から足の引っ張り合いが横行し
ひどい有様となる。
よもやこんな目にあったら、
あらぬ疑いをかけられても
生真面目に真実を訴え過ぎず、人を非難しすぎず、
クールに過ごし、仕事に専念しているのが良いように思う。

研修医のときなど、
忙しいと他の科の人間と顔をあわせる機会がほとんどないので
本当に狭い世界の中の小さな尺度でしかものを考えられなくなる。
第三者的に考えたらたいしたことでもないのに
忙しくて消耗しているのもあって
ふとしたときに変なことを深く思い悩んだりする。
そういうときにICUや廊下で他科にいった友人たちと遭遇して
明るい声で話しかけられたり馬鹿話をすると
ぱっと我に帰ることができる。
自分には沢山、親身になってくれる面白い友人がいたんだよな、
医局だけが人生じゃなかったんだよなあ、と。
今ならネットもあるし、遠くの友人でも簡単にコンタクトがとれるから
そこまでの寂寥感はそもそもないかもな。

医局の同期というのは1年程度の研修期間中は一緒に育てられるが、
二年目以降はばらばらの場所で研修に入るので
実はその後、同じ場所で働くことはまず皆無である。
(あくまでうちの医局の場合)
だから関係なく暮らしても別に支障はない。
仲のいい同期同士というのはきつい研修の間、慰めあったり
違う病院にいながらも連絡を取り合い、
情報を交換して楽しそうにやっている。
脳神経外科の場合、研修の最後に専門医試験を通るので、
その受験勉強は通常なら同期同士で結束してやるようだ。
それにしても、独力で勉強しても通るので大丈夫。

なんの仕事でもそうだろうが、
学生じゃあるまいし、仕事の仲間でつるんでる必要なんてない。
ひとたび仕事を離れたら、
あとはほんのわずかな自由時間がよりよいものになるように
気楽で思いやり深い友人と屈託なく楽しく過ごましょ。
# by decoppati | 2006-05-29 23:44 | 脳外科の仕事

病院の中の温度管理

いつも飛行機に乗るとあの乾燥のなか
長時間仕事をする人の苦労はいかばかりかと察する。
まあ、そこまでいかないが、
病院の中で日常的に半ば軟禁状態でおかれる身としては
温度/湿度管理も気になるものである。

基本的に病院というのはセントラルヒーティングであり、
オールシーズン適温で保たれているものである。
が、しかし!
どこの病院でも多かれ少なかれ真実だと断じるが、
それは患者のいるスペースの話であって、
患者のいないスペースの扱いは極めて悪い。
天と地ほどの違いがある、と思う。

医師の当直室の空気の悪さったらないし、
(おまけに病院と思えないほど不衛生)
管理部門の廊下、医局、夜の外来などで
エアコンディショナーが効かない(切ってある)のはよくあること。
冬は寒く埃っぽく、
夏は暑い、蒸し暑い。
なまじっか送風だけしてあって乾燥する。
まあ、昼間だけ医局でエアコンが使える病院もある。
それも考えようで汗っかき太め医師などに21℃強風などに設定され、
夏にもかかわらず極寒に震える羽目にもなる。
これはどこの職場でもそうだろう。
OLと同じように女性はブランケットやパーカーなど常備している。
男性は乾燥に強いのか気にしないのか、うらやましいが
(脂ぎってるから大丈夫なのか?)
乾燥にはエビアンのでかスプレー、気休めに常備。

それより根源を断ち切るには、
エアコンコントローラー上げ下げの仁義無き戦いに参戦することだ。
寒い設定になってるのに気付いたらすかさず
24-5℃弱風など万人にとっての適温に変更。
でぶな下級生が赴任してきたら、釘を刺しておくのも重要。
そのうち目で制するだけで下げられなくもなる。
しかし、リラックスできる少しの時間に
こんなことに労力をとられるなんて癪にさわるわけである。
こんなささいなことも我慢しない性分が一番問題か。
# by decoppati | 2006-05-23 00:40 | 女性のハンディ

へそくり

結婚している男性医師の場合、
財布の紐はやはり奥さんが握っていることが多い。
とにかく夫の浮気やくだらない遊びで
あとで悩まないためには
財源を断ち切ることが重要なのだそうだ。

かなり完璧に押さえられていることが多く、
とにかく抜け道がない、らしい。
クレジットカードはどこで使ったかレポートが来るのでNG,
普段家に居られないことが多いため、
郵送されてきたレポートをいちいち始末することさえできない。
同様の理由でもう一台の携帯を持つのも難しいらしい。
給与は最近は銀行振り込みであるから、
銀行でおろせばすぐ足がつく。

かくして彼ら既婚男性医師の知恵は他の方向に働いていく。
携帯は下級生の協力を無理やりとりつけてゲット。
ゲンナマでもらえる仕事には他のひとを押しのけてでも行く。
単発の仕事でそういうこともチラホラある。
特に泊りじゃないことが必須。(妻に働いたことがばれる)
(競艇/競輪場での待機医師とか献血関係、
搬送業務、カルテの翻訳など)
もちろん妻にはそんな仕事の存在がばれないように
細心の注意を払うことはいうまでもない。
あとは患者からの心づけを懐にいれちゃうことにもなる。

前に先輩から真剣な表情で
突然「100万貸してくれ」といわれたことがある。
貸せというからには理由を聞いたら、
クラブの女のでまかせに違いないトラブルを大真面目に語ってくれた。
簡単に騙されちゃうんだなーと笑いつつ、はっきりと断った。
あとでやっぱりそんなの嘘だったと判明し、
私のおかげで騙されずに済んだと礼をいわれた。
まあ、いくら先輩後輩でもカツアゲされることまではないが、
気の弱い後輩だったらもしかして簡単に差し出しちゃうかもしれない。
収入から言ったらすぐ返してもらえそうな額でも、
妻にいえない内容だったらへそくり集めるのに時間がかかる。
要注意!
# by decoppati | 2006-05-12 20:47 | 男性医師の生態

脳外科疾患の宿命

脳は再生困難な臓器であるために、(実験と臨床は別)
脳外科にやってくるような疾患では
発症と同時に運命が決定付けられることが多い。
脳は場所によって多岐多彩な機能を担っているので
やられた場所によって出てくる症状が違う。
ただ、人によってマップが全く違うわけではなく、
おおまかにはどこにどの機能というのは判明しており、
大体のところは同じである。

誰であっても病院にたどり着く前に
修正不能なほどに脳の損傷が与えられてしまうと
どんなに手をつくしても元に戻ることはない。
ただ、「元に戻れなく」ても、救命されるように治療が行われる。
損傷された場所をみれば最低限
どんな後遺症が残るのかは予測ができる。
ただでさえ、亡くなるような重症も多いわけで
喋れなくなったり、嗅覚・視覚・聴覚に障害を負ったり、
意識が悪いまま植物状態で経過したり、
どちらかの上下肢の運動が妨げられたりと
大きな障害が残ることがすごく多い。
例外的に、幼児や若年者では回復が非常によく、
もともと血管奇形などがある人の一部などでは
予測できないほど改善する人もいる。

死んでしまったらそれまでだが、
生きていれば症状が改善する可能性が残る。
障害とともに生活していくのは本人にとっても家族にとっても
非常に大変なことであるが、
生きている限りはなにかしら張り合いや楽しみを持っていただけるよう
バックアップするのも脳外科の仕事のうちである。
「手術が成功する」のと、
「元通りに戻る」のが別意であることが多いこの仕事、
独りよがりにならず、人の身になって
きめ細かい目配りができるよう気をつけていきたいものである。
# by decoppati | 2006-05-04 06:38 | 脳外科の仕事