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外国人患者

徐々に外国人の患者さんが増えている。
以前は居住者であっても日本語が全くしゃべれない人が多かった。
救急の要素のある科では、
そのほかに外国人観光客や短期滞在者を診る機会が多い。

この頃は、居住者の場合、
片言の日本語を話すあるいは話そうとする人が明らかに増えている。
それでもアメリカ軍人だけは例外で、
面白いほど英語でまくし立てて大いばりである。
下の階層になればなるほど、
日本人に対する蔑視があからさまである。
それに対して同じアメリカ人でもビジネスパーソンなどは
ちょっとでも日本語を使おうとする傾向があり、
日本文化を学んでいるとみえ、
すこしは礼儀をわきまえているように思う。
ドラッグがらみで来る不良外人といわれる人々には
西欧人が多いが、つきそいも含めて総じて態度が悪く、
診療がスムーズにすすまないことが多い。
水商売の外国人では患者自体には問題がなくても、
付き添いに質の悪いひとがついてくることもあるので
対応に苦慮することがある。

最近の外国人患者の大多数は、地域性もあるが、
中国人、韓国人である。
以前はイラン人、タイ人、
フィリピン人、パキスタン人も多かった。
やはり不況が長引くに連れて、
その組成は刻々と変わっているように思う。
中国人や韓国人、インド人などは大多数が居住者であり、
日本語ができるか、できる友達がつきそいで来ることも多く、
大抵は診療に協力的であって問題になることは少ない。
雇い主や大家、日本語学校の先生などが付いてくれば
なおさら問題がない。
ただ、お金がないから麻酔なしで最小限の処置をしてくれ、
とか変なリクエストがあったりして、困ることもある。
困るのは、付き添いなしで、
英語も日本語もを解さない外国人(ロシア人や韓国人に多い)で、
こちらが一生懸命検査や病状を説明していても、
一方的になにかされるのじゃないかと
疑心暗鬼になって騒いだりすることもありもう大変である。
不法滞在の外国人の大病のときは、
大使館との連絡で時間がとられることもある。

本当は医療業務用にスペイン語や中国語、韓国語、タイ語などの
電話翻訳サービスをしている番号があるので、
これを活用すればいいのだが、
たしかこれは24時間サービスではなく日中のみだったと思う。
しかし、我が科の場合、酔った挙げ句の頭部外傷が多い関係で
困るのは主に夜間や明け方なわけであまり実用的でない。

これから日本にはもっと外国人が流入してくることになるだろうし、
大都市がこれから国際都市として認知されるためには
医療も一緒に論じられるようになると思う。
しかし、現場ではまだまだ混乱も多いし、
なにより治療費の未納が多い。
未納になることがわかっていても断らずに
なかばボランティア的に治療をしている現場にもっと目を向けて、
行政に対策を練って欲しいものである。
by decoppati | 2005-04-27 00:00 | 脳外科の仕事
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